特殊詐欺被害、9月末で2,610億円 前年比22.8%増、SNS投資・ニセ警察詐欺が深刻

2026年11月04日 14:47

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警視庁。警察庁が公表した2026年9月末時点の特殊詐欺被害額は2,610.4億円に達しました(資料写真)

今回のニュースのポイント

警察庁の2026年9月末暫定統計によりますと、特殊詐欺の被害状況は認知件数が前年同期比11.0%増の3万3,329件、被害額が同22.8%増の2,610.4億円に達しました。手口別ではSNS型投資詐欺が991.0億円で最大となり、件数減・被害額増となったニセ警察詐欺(842.8億円)、SNS型ロマンス詐欺(366.5億円)を合わせた3類型で被害全体の約84.3%を占めています。2026年から統計分類が変更されています。

本文
 警察庁が公表した2026年9月末時点の暫定統計によりますと、2026年1~9月に全国の警察が認知した特殊詐欺の被害状況は、認知件数が前年同期比11.0%増(3,299件増)の3万3,329件、被害額が同22.8%増(483.9億円増)の2,610億4,000万円(約2,610.4億円)に達しました。今回の数値は9カ月間の累計であり、9月単月の被害や年間の確定値ではありませんが、認知件数の伸び率(11.0%増)を大幅に上回るペースで被害額(22.8%増)が拡大している実態が明らかになりました。警察庁は2026年から手口の分類を再編しており、被害が深刻化する新たな詐欺類型への対策を急いでいます。

 手口別の被害額で最も深刻な水準となったのは「SNS型投資詐欺」です。2026年1~9月の認知件数は前年同期比28.1%増の7,580件、被害額は同27.2%増の991.0億円に達しました。手口別集計の中で被害額は単独で最大となっており、特殊詐欺全体の被害総額2,610.4億円のうち約38.0%を占める規模となっています。SNS型投資詐欺は、認知件数と被害額の双方が前年同期を大きく上回っており、手口別で最大となる991.0億円の被害額が、特殊詐欺全体の被害規模を押し上げる大きな要因となっています。

 次いで大きな被害額を記録しているのが、捜査機関などを騙る「ニセ警察詐欺」です。2026年1~9月の認知件数は前年同期比4.1%減の7,334件とわずかに減少したものの、被害額は同25.6%増の842.8億円へと大幅に増加しました。件数が減少する一方で被害総額が急増しており、特殊詐欺全体に占める被害額の割合は約32.3%に達しています。また、恋愛感情などを利用する「SNS型ロマンス詐欺」は認知件数が前年同期比0.2%減の4,005件、被害額が同2.4%減の366.5億円でした。警察庁の手口別数値を合計しますと、これら3類型の被害額は合計で2,200.3億円に達し、全体の約84.3%を占める極めて高い集中度を示しています。

 こうした被害構造の背景には、2026年から警察庁が実施した統計分類の見直しがあります。警察庁は手口の実態や対策をより明確にするため、被害が急増していた「ニセ警察詐欺」を独立した手口として位置付けるとともに、従来は別統計として扱われていた「SNS型投資詐欺」および「SNS型ロマンス詐欺」を特殊詐欺の一手口として正式に統合しました。本記事の前年同期比は警察庁が今回の資料で公表した比較値ですが、2026年から分類が変更されているため、従来の分類に基づく過去の統計と無条件に比較することはできません。その他の手口では、オレオレ詐欺が認知件数3,143件(前年同期比21.9%増)、被害額116.0億円(同16.5%増)、架空料金請求詐欺が認知件数4,718件(同12.9%増)、被害額107.9億円(同12.6%増)、還付金詐欺が認知件数2,311件(同8.6%減)、被害額51.2億円(同4.5%増)となっています。

 被害金の交付形態では、電子的な資金移動を通じた手口が目立っています。2026年9月単月のデータによりますと、交付形態別の振込型による被害額は132.8億円(認知件数1,955件)であり、そのうちインターネットバンキングを利用した被害額は95.4億円(同1,024件)に上り、9月単月の振込型被害額の約71.8%を占めました。一方、警察による取り締まり状況を見ますと、2026年1~9月の特殊詐欺全体の検挙件数は前年同期比24.0%増の6,101件、検挙人員は同25.3%増の2,193人となりました。手口別ではSNS型投資詐欺で732件・320人、ニセ警察詐欺で755件・367人が検挙されています。なお、検挙件数と認知件数は発生時期や捜査期間が異なるため、両者を機械的に除算して検挙率を算出することは適切ではありません。

 警察庁が公表した携帯電話対策の実績によりますと、警察庁推奨アプリの累計ダウンロード数は2026年9月末時点で約261万6,200件に達しました。しかし、被害額全体が2,600億円を超える高水準で推移するなか、特に被害の大部分を占めるSNS型投資詐欺やニセ警察詐欺への多角的な防止対策が喫緊の課題となっています。今回の統計は暫定値であり、2026年からの分類変更にも留意する必要があります。警察庁の手口別数値では、SNS型投資詐欺とニセ警察詐欺の被害額だけで計1,833.8億円となり、特殊詐欺全体の約70.2%を占めています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)