米テキサス州、データセンターの許可手続きを停止 電力網・水資源への影響を監査

2026年09月23日 07:40

データセンターのサーバー回廊

米テキサス州は、データセンターが求める許可発行をERCOTの監査完了まで停止するよう州環境品質委員会(TCEQ)に指示した。州政府はデータセンターに対し、電力インフラ費用の全額負担や電力・水使用量の報告、地域社会が必要とする水資源の保護などを求めている。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

米テキサス州のグレッグ・アボット知事は9月21日、州環境品質委員会(TCEQ)に対し、データセンターが求めるすべての許可発行をテキサス電力信頼度評議会(ERCOT)の監査が完了するまで停止するよう指示しました。また、テキサス州公益事業委員会(PUCT)、ERCOT、テキサス州水資源開発委員会(TWDB)が必要な情報を取得するまで、州機関による規制承認を進めない方針です。州政府は事業者に対し、電力インフラ費用の全額負担、電力・水使用量の報告、地域用水の不使用などを要求しており、次期州議会で財政的インセンティブの廃止を目指す姿勢も示しました。

本文
 米テキサス州のグレッグ・アボット知事は9月21日、環境規制当局であるテキサス州環境品質委員会(TCEQ)の事務局長宛てに書簡を送り、データセンター関連プロジェクトが申請しているすべての許可手続きを停止するよう指示しました。本措置は、データセンターの建設や事業展開を恒久的に禁止するものではなく、電力網や水資源への影響に関する監査が完了するまでの間、州機関による規制上の承認手続きを一時停止(モラトリアム)するものです。

 停止の基本条件となっているのは、州の系統運用機関であるERCOTによるデータセンターの監査完了です。アボット知事は9月14日にもTWDBに対してデータセンターの水使用量報告義務の遵守や未報告への法的措置を指示しており、電力と水の両面から調査を一体的に進める体制をとっています。PUCT、ERCOT、TWDBが必要な情報を確定するまで、TCEQを含む州機関は規制承認を進めない方針です。

 州政府がデータセンタープロジェクトに求めている主な条件として、必要な電力インフラ費用の全額負担、開発に伴う住宅向け電気料金の低下、ERCOT監査の完了、地域社会が必要とする水資源を使用しないこと、電力・水使用量の報告、地域保護のためのセットバック(離隔距離)要件の遵守などが挙げられています。州政府は、電力インフラ費用を事業者側がすべて負担し、開発が住宅向け電気料金の低下につながることを求めています。

 手続きの工程として、TCEQは今回の知事指示に対する対応・遵守状況について、2026年10月19日までに知事室へ報告することが義務付けられています。なお、10月19日は知事室への報告期限であり、許可停止措置そのものが解除される期限ではありません。知事室は、TCEQによる許可停止についてERCOTの監査完了までとしています。

 さらに将来的な政策の方向性として、アボット知事は次期州議会においてデータセンター向けの財政的インセンティブを廃止するため、議会と協力して法改正に取り組む方針を表明しました。データセンターの急速な拡大に対し、「電力インフラの費用を誰が負担するか」「地域社会が必要とする水資源をどう保護するか」まで州政府が条件として明示した取り組みとなります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)