GMOグローバルサイン・HDとVESS Labsは、異なる企業が開発したAIエージェント間で、身元と取引権限をデジタル証明する仕組みを実証。人による購入承認を経て、商品の発注から模擬的な支払い処理への連携まで検証した。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
GMOグローバルサイン・ホールディングスとVESS Labsは9月24日、異なる企業が開発したAIエージェント同士が取引する際に、相手の身元と取引権限を確認する信頼基盤を共同で設計・実証したと発表しました。両社が買い手と売り手のAIエージェントをそれぞれ独立して開発し、相互の身元・権限を確認したうえで、人による購入承認から商品の発注、模擬的な支払い処理への連携までの一連の動作を検証しました。
本文
GMOグローバルサイン・ホールディングス(GMOグローバルサイン・HD)と、デジタル証明基盤を手掛けるVESS Labsは9月24日、企業を越えてAIエージェント同士が取引する際に必要となる「身元と権限」を確認する仕組みを共同で設計し、実証したと発表しました。
生成AIが質問応答にとどまらず、外部サービスを利用し、商品の検索や予約、発注、決済などを支援・実行する「AIエージェント」へと進化する中、異なる企業が管理するAI同士が直接やり取りする機会の増加が見込まれています。人間同士の企業間取引では身分証明書や社員証、委任状によって「誰なのか」「何を任されているのか」を確認しますが、今回の実証はAIエージェントに対しても同様の信頼性を確認する仕組みを検証したものです。
実験は2026年4月から9月にかけて実施されました。GMOグローバルサイン・HDが買い手側、VESS Labsが売り手側のAIエージェントを独立して開発し、あらかじめ定めた共通の仕組みに基づいて両者を接続しました。事前に取引相手を固定登録する許可リスト(Allowlist)方式では初回取引先やAIの増加に伴う管理負荷が課題となりますが、本実証では発行者の電子署名により改ざん防止や発行元確認が行えるデジタル証明書「VC(Verifiable Credentials)」を採用しました。AIエージェントに人間社会の「社員証」や「委任状」に相当する証明を持たせる考え方であり、取引のたびに相手企業のシステムへ問い合わせなくても、その場でAIの所属企業や与えられた取引権限の範囲を確認できる構成としました。なお、実際に利用した技術は電子署名されたVCであり、社員証や委任状そのものを電子化したものではありません。
実証では、相手の身元と権限の自動検証に加え、人間による購入承認の確認を経たうえで、商品の発注から模擬的な支払い処理への連携まで正しく動作することを確認しました。さらに、人間が承認した取引内容と実際の発注を紐付け、「誰が、誰に、どの範囲まで権限を与えたか」を後から確認できる仕組みも実装しました。認証情報の使い回しや失効した証明書の利用、購入内容の不正変更など、不正な操作を想定したケースを含む281件の自動テストがすべて正常に完了しており(2026年8月28日時点)、不正な認証・操作を拒否できることも確認しました。
両社は今後、AIエージェント間の商取引に関するオープンな標準仕様への対応を検討するほか、あらかじめ設定した条件内であれば人が毎回承認を行わなくてもAIが自律的に取引を進める仕組みや、複雑な権限引き継ぎを伴う取引への応用検討を進める方針です。なお、今回の発表は模擬環境における技術検証で、実際の決済や商取引は行っていません。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













