クボタとJA松本ハイランドは、未利用のもみ殻から非晶質シリカを回収するガス化炉の長期実証を開始。1日10トンのもみ殻を処理し、1.5~2.0トンのシリカ回収を見込むほか、廃熱をもみ乾燥用の熱源として活用する仕組みも検証する。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
クボタと松本ハイランド農業協同組合は9月24日、長野県松本市の和田広域ライスセンターで、未利用のもみ殻から非晶質シリカを回収するガス化炉の長期実証運転を開始したと発表しました。処理能力はもみ殻1日当たり10トンで、1日当たり1.5〜2.0トンのシリカ回収を見込みます。回収時に発生する廃熱をもみ乾燥用の熱源として有効活用する仕組みも検証し、「材料」と「熱」の二重利用による地域資源循環モデルの構築を目指します。
本文
農業機械大手のクボタと松本ハイランド農業協同組合(JA松本ハイランド)は9月24日、長野県松本市の和田広域ライスセンター内に設置したガス化炉において、未利用のもみ殻からシリカ(二酸化ケイ素)を回収する定格条件での長期実証運転を開始したと発表しました。
国内では年間約160万トンのもみ殻が発生しています。このうち約3分の2は畜産用の敷料や堆肥、土壌改良材などとして活用されているものの、残る約3分の1に相当する年間約50万〜60万トンは十分な有効利用に至っていません。特に稲作が盛んな地域では発生量が周辺の需要を大幅に上回り、一部が産業廃棄物として処理されるなど、未利用もみ殻の利活用が課題となっていました。
もみ殻には約20%のシリカが含まれています。シリカはゴムや樹脂の補強材、塗料、化粧品など多岐にわたる分野で利用される工業材料です。クボタが開発したガス化炉は、もみ殻を600〜800℃で加熱して有機成分を熱分解・気化させ、残るシリカを濃縮して回収します。高温で燃焼させた場合に生成しやすい結晶質シリカの生成を抑えながら非晶質シリカを安定的に回収するため、流動床方式と水スプレーによる冷却機構を採用し、炉内全域を800℃未満に維持する仕組みとしました。
本設備の処理能力は、もみ殻1日当たり10トンに対し、シリカの回収量が1日当たり1.5〜2.0トンです。さらに、ガス化炉の廃熱をもみの乾燥用の熱源として有効活用する仕組みも検証し、エネルギーと資材の両面で未利用資源を活かす循環体系を検証します。
本設備自体は2022年にJA松本ハイランドへ設置されたもので、これまでの技術実証を経て、2026年から定格条件での長期実証運転を開始しました。今後は米や麦の収穫時期に合わせて継続的に稼働させるとともに、回収したシリカの用途開発や販路開拓を進めます。クボタは松本市での長期実証を通じ、他地域への展開も可能な未利用もみ殻の地域資源循環モデルの構築を目指します。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













