今回のニュースのポイント
帝国データバンクが9月25日に公表した「2027年度の高卒採用に関する企業の意識調査」によると、2027年度に高卒者の採用を予定する企業は24.4%とおよそ4社に1社となりました。採用理由では「若手人材の確保」が85.2%で最も高く、足元の人手不足対応にとどまらず、将来の中核人材育成や技能継承を見据える企業姿勢が示されています。一方、若手人材を求める企業が多い一方、高卒採用を予定する割合には企業規模による大きな差があり、TDBはその背景に、採用活動や育成に投入できる人員、時間、ノウハウの違いが影響しているとみています。
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帝国データバンクは、全国2万2060社を対象に実施したアンケート(有効回答1万560社)をもとに、2027年度の高卒採用に関する企業の意識調査結果を公表しました。自社における2027年度の高卒採用の予定について、「増加する(見込みを含む)」と回答した企業は4.9%、「変わらない(同)」は15.0%、「減少する(同)」は4.5%となり、これらを合わせた『採用予定あり』の企業は24.4%となりました。およそ4社に1社が高卒者の採用を予定している計算になります。一方、「予定はない」は60.1%、「分からない」は15.6%でした。採用予定の企業の多くは採用数を「前年並み」と見込んでおり、高卒採用を増やす企業自体が約4分の1存在するわけではない点には留意が必要です。
今回の調査で鮮明となったのは、企業規模による採用予定割合の大きな隔たりです。企業規模別に見ると、高卒採用を『予定あり』とした割合は「大企業」で42.7%に達したのに対し、「中小企業」は21.2%となり、その差は21.5ポイントに及びました。さらに中小企業のうち「小規模企業」では11.2%にとどまり、大企業との間には31.5ポイント(編集部計算)もの開きが生じています。従業員数別でも、「5人以下」の7.2%から人員規模が拡大するにつれて上昇し、「101人以上」の各区分では半数を超えています。人員規模の大きな企業ほど、高卒者の採用を予定している傾向が顕著にあらわれています。
高卒採用を予定している企業(2573社)にその理由を複数回答で尋ねたところ、「若手人材の確保」が85.2%で最も高くなりました。次いで「人手不足の解消」が52.5%、「将来の中核人材の確保」が50.2%、「地元・地域人材の確保」が47.1%、「従業員の年齢構成の改善」が46.2%で続きました。「人手不足の解消」よりも「若手人材の確保」が30ポイント以上上回っている点からは、単なる欠員補充を超えて、若手社員を長期的な視点で社内育成し、技術や技能の継承を担う将来の中核層として迎え入れたい企業の姿勢が窺えます。
業界別で『採用予定あり』の割合を見ると、「製造」が36.4%で最も高く、「建設」が35.0%、「金融」が32.2%と続きました。一方、「不動産」は6.7%、「卸売」は13.5%、「サービス」は17.6%にとどまりました。TDBは、こうした業界別の違いには、業務内容や人手不足感、採用後の育成体制などが関係している可能性があるとしています。
一方で、高卒採用における課題について全回答企業に尋ねた項目では、「応募者数の不足」が36.4%で最も高く、「企業認知度の不足」が31.1%、「教育・育成の負担の大きさ」が24.6%、「早期離職」が20.3%と続きました。高卒採用特有の選考手法や高校側との関係構築の難しさに加え、入社後の教育・育成に必要な人的資源やコストの負担、早期定着への懸念がハードルとなっています。TDBは、企業規模による採用予定割合の差の背景には、採用活動や育成に投入できる人員、時間、ノウハウの違いが影響しているとみています。
企業が次世代を担う若手を求める一方、実際に高卒者を募集する割合には企業規模による大きな差があります。調査では応募者不足だけでなく、企業認知度、教育・育成の負担、早期離職なども課題として挙がりました。人手不足が続くなか、企業にとっては「若手を採りたいか」という需要だけでなく、採用前の情報発信から入社後の教育・定着までを一貫して支える体制をどう整えるかも課題となっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













