EU、研究・イノベーションに5億ユーロ追加 AI活用のエネルギー基盤など支援

2026年09月30日 17:44

EUイノベーション支援イメージ

EUの研究・イノベーション支援のイメージ。欧州委員会は2026~27年の「Horizon Europe」に5億ユーロを追加配分し、AIとエネルギーなど分野横断型の研究課題を新たな公募対象に加える(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

欧州委員会は9月29日、EUの研究・イノベーション支援制度「Horizon Europe」について、2026~27年の予算に5億ユーロを追加配分すると発表しました。これにより、同期間の総予算規模は約148億ユーロに拡大します。単なる予算枠の拡大にとどまらず、AIとエネルギー、中小企業の技能、生物多様性など分野をまたぐ研究・イノベーション課題を新たに対象に加えます。

本文
 欧州委員会は29日、EUの研究・イノベーション支援における中核プログラム「Horizon Europe」の2026~27年向け資金を5億ユーロ増額すると発表しました。今回の追加配分により、2026~27年の2年間にわたる作業計画の総予算規模は約148億ユーロに達します。

 今回の増額とあわせ、欧州委員会は従来の分野ごとの枠組み(縦割り)では対応が難しかった重要課題に対処するため、新たに2つの横断的な提案募集(公募)を追加しました。追加される公募のテーマの一つとして、AIとエネルギー基盤の融合が挙げられています。次世代AIを活用したデジタルプラットフォームによって、より手頃な価格で安全かつ持続可能な欧州のエネルギーシステムを目指す研究・イノベーションが対象に含まれます。

 Horizon Europeの2026~27年作業計画は、もともと約140億ユーロ規模で策定され、クリーン産業やAI、エネルギー、デジタル、先端材料など、欧州の研究開発領域を広くカバーしています。既存計画内でも気候変動対策関連などに多額の資金が配分されており、今回の5億ユーロ追加は、こうしたEUの研究・イノベーション支援の流れを補強するものとなります。

 さらに、新設される横断公募では技術開発そのものにとどまらず、広範な課題へのアプローチが組み込まれています。革新的な中小企業(SME)に必要な技能に関する課題が含まれるほか、クリーン・デジタル産業の拡大がもたらす経済・技術的利点に加え、生物多様性への影響や持続可能な転換の加速についても研究対象として扱います。

 Horizon Europeは、基礎研究からデジタル、産業、宇宙、気候、エネルギー、モビリティーに及ぶ多角的な領域を包括しています。2026~27年の計画では、気候・エネルギー・モビリティー分野において、エネルギー貯蔵や再生可能エネルギー、次世代送電網の研究などに資金が充てられています。

 今回の追加配分により、2026~27年のHorizon Europeは約148億ユーロ規模となり、AIとエネルギーを組み合わせたデジタルプラットフォームなど、分野横断型の研究・イノベーション課題も新たな公募対象に加わります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)