英国、洪水・鉄道・道路を冬前に強化 洪水14億ポンド、道路維持に4年で240億ポンド超

2026年10月04日 12:17

英国インフライメージ

英国政府は冬の悪天候に備え、洪水防御や鉄道の気候耐性強化、地域道路の維持・改善を進める。電力網でも枝の除去や事前保守、作業員の配置などを実施し、大型投資と日常的な維持管理を組み合わせてインフラの強靱化を図る(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

英国政府は10月2日、冬の悪天候や異常気象に備え、洪水防御、鉄道、道路、電力網といった生活インフラの機能・耐性強化を進めると発表しました。2026/27年度にイングランドの洪水防御へ14億ポンドを投じ600超のプロジェクトを進めるほか、Network Railを通じて鉄道の気候耐性強化に26億ポンド、今後4年間で地域道路の維持・改善に240億ポンド超を投資します。電力網でも枝の除去や事前メンテナンスを徹底。大型投資と日常的な維持管理、家庭での備えを組み合わせ、社会全体のレジリエンスを高める方針です。

本文
 冬の悪天候に向けた「備え」は、インフラへの大型投資から日常的な維持管理、家庭での予防対策まで、多層的な取り組みとして進められています。

 英国政府は10月2日、冬の悪天候に備え、洪水防御、鉄道、道路、電力ネットワークといった重要インフラの耐性向上を進めていると発表しました。

 具体的には、イングランドにおける洪水防御に対して2026/27年度に14億ポンドを投入。豪雨や沿岸部の嵐から地域社会を守るため、600を超える洪水防御プロジェクトが進められます。

 鉄道分野では、インフラ管理を担うNetwork Railを通じて26億ポンドを投じ、鉄道インフラの気候耐性を高める対策を推進。具体例として、盛土の安定化や地滑り対策にダラムで3300万ポンド、北西部で4100万ポンドが投入されています。

 さらに地域道路の維持と改善に向けては、今後4年間で240億ポンド超の投資枠を設定。冬季の交通網の信頼性向上に向け、地域道路の維持・改善を進めます。

 大型の投資施策と並行して進められているのが、電力網などにおける事前メンテナンスです。電力ネットワーク事業者は、冬の暴風雪などに備えて主要設備の事前保守や枝の除去、リスクが高い地域への作業員の事前配置を実施。政府によると、昨冬のStorm Amy後には、電力顧客の99%が24時間以内に再接続されました。

 また英国政府は、インフラ側の対応にとどまらず「家庭側の備え」も組み合わせます。今秋から全国的な啓発キャンペーンを開始し、非常用品の準備や、停電などの際に支援を必要とする世帯向けのPriority Services Registerへの登録を呼びかけています。このキャンペーン策定には5000人以上の市民や400の団体・組織が関わっています。

 巨額を投じる構造物の防護や線路の耐性強化から、電線周辺の枝の除去といった事前保守、そして各家庭での予防対策まで。悪天候の脅威に対し、英国政府はインフラ投資と日常的な維持管理、市民の啓発を相互に機能させることで、社会全体の対応力を補強しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)