今週の振り返り 588円上昇でリーマンショック前の水準に

2013年03月09日 19:57

 6日朝方の為替レートはドル円が93円台前半、ユーロ円が121円台後半であまり動いていなかった。NYダウはISM非製造業景況指数が高水準だったことやFRBの量的緩和継続期待などを背景に125ドルの大幅高で終値14253.77ドル。2007年10月9日の史上最高値を余裕で更新し〃未体験ゾーン〃に突入した。NYダウに連動して日経平均は127.61円高の11811.06円と11800円台に乗せて始まる。前場は11800円台前半で安定していたが、後場は一段高で11850円を突破し、たびたび11900円台にタッチした。相場の強さは大引けまで変わらず、終値は248.82円高の11932.27円と4年5ヵ月ぶりの11900円台に乗せた。TOPIXは+14.60の1003.22の高値引けで1000台に乗せて終わっている。

 この日も8日のメジャーSQを意識して「日経平均寄与度御三家」のファーストリテイリング<9983>とソフトバンク<9984>に買いが集中する動きがあり、ファーストリテイリングは売買代金ランキング4位で2170円高、ソフトバンクは同3位で240円高になり、2銘柄で日経平均を115円も押し上げ上昇幅の約46%を占めた。売買高は29億株だが売買代金は2兆円を突破し、値がさ株への売買の集中ぶりを裏付ける。

 騰落率上位業種は保険、小売、倉庫、情報・通信、サービス、精密など。騰落率マイナス業種はパルプ・紙、水産の2業種だけで、プラスの騰落率が低かったのは石油、建設、鉱業、鉄鋼などだった。

 7日朝方の為替レートはドル円が94円近辺、ユーロ円が122円近辺で前日より円安が進行した。NYダウはADP雇用統計が市場予測以上に良く、地区連銀経済報告(ベージュブック)で全米規模の景気回復が確認され42ドル高。シカゴCME先物では先に12000円台に乗せていた日経平均は104.98円高の12037.25円とあっさり大台に乗せて始まる。前場途中で割り込んでも前引けでは回復。日銀の金融政策決定会合の結果は政策金利も含めて政策は据え置きで、景気判断は引き上げた。しかし、後場は大台割れでスタート。2月の東京都心部オフィス空室率の悪化、アジア市場の軟調、メジャーSQ前日のポジション調整、ECB理事会やアメリカの雇用統計発表前の様子見などマイナス要素はいろいろ考えられたが、日経平均は徐々に下がっていき午後2時台には11950円をも下回り、TOPIXがマイナスになる「NTねじれ現象」まで出現した。結局、終値は6日続伸したが35.81円高の11968.08円で大台を回復できず尻すぼみ。値下がり銘柄数817が値上がり銘柄数765よりも多く、TOPIXは+1.13の1004.35とわずかな上昇にとどまった。売買高は31億株だが売買代金は2兆円を超えている。

 東証33業種騰落率で上昇したのはゴム製品、鉱業、その他製品、繊維製品、医薬品など。下落したのは倉庫・運輸関連、銀行業、建設業、鉄鋼、ガラス・土石製品などだった。

 8日朝方の為替レートは、ユーロ円は政策金利を据え置いたECBのドラギ総裁の楽観的な景気見通しを好感して前日比2円を超えるユーロ大幅高で124円台前半、さらにドル円は取引開始前に95円台に乗せるなど円安が進んだ。NYダウは雇用統計の改善期待が高まり33ドル高で5日続伸、史上最高値を3日連続で更新し未体験ゾーンを突き進む。メジャーSQ算出日を迎えた日経平均は98.42円高の12066.50円で大台を回復して始まり、すぐに12100円台に乗せる。午前9時8分頃に出たSQ推計値は12072.98円で、週前半から大台乗せの〃工作〃が活発だった市場の期待通り、SQ値も12000円を超えた。

 その後、中国の貿易収支が赤字の予想を良い方に裏切って黒字と発表され上海市場が上昇に転じるなどして日経平均は午前10時半過ぎから上げ足を早め、12150円を通過して12200円台に乗せて昼休み入り。その勢いは後場も衰えず、麻生財務大臣とアメリカのルー財務長官が夜に電話協議するニュース、2月の景気ウォッチャー調査が改善して現状判断が好・不況の分岐点の50を超えたニュースなどが入って12250円にたびたびタッチした末、315.54円高の12283.62円で月曜始値から588円も上昇した今週の取引を終えた。TOPIXは+16.15の1020.50。売買高48億株、売買代金3兆9377億円。6日続伸した後のアメリカの雇用統計発表前の金曜日でも様子見、利益確定売りでズルズル下げることなく、逆に高値引けして相場の強さを世界に示した。

 値上がり銘柄数は全体の約3分の2を占めたが、それでも電力・ガス、空運、水産・農林、石油の4業種がマイナスになった。騰落率上位の業種はゴム、不動産、その他金融、鉱業、海運などだった。