今回のニュースのポイント
大阪ガスが2026年10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算は、売上高が前年同期比6.9%増の1兆253億円となった一方、営業利益は同32.8%減の602億円、経常利益は同21.6%減の827億円と減益でした。原油高に伴い、原料費が販売単価へ反映されるまでの時間差(タイムラグ差損)が生じたことが響きました。しかし、このタイムラグ影響を除く経常利益は同25.8%増の1,085億円と大幅増益を達成しました。通期売上高予想は840億円上方修正し、利益予想は据え置きました。
本文
大手都市ガスの大阪ガス(大阪瓦斯、9532)は2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年4~9月、日本基準・連結)の決算を発表しました。売上高は前年同期比6.9%増の1兆253億円(1兆253億1,900万円)と増収を確保したものの、営業利益は同32.8%減の602億円(602億7,900万円)、経常利益は同21.6%減の827億円(827億400万円)、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期の保険金受取の反動などもあり同29.8%減の666億円(666億1,900万円)と各段階利益は減益となりました。
会計上の営業・経常減益をもたらした最大の要因は、原料費・燃料費調整制度における「タイムラグ影響」です。これは、輸入原料価格や燃料価格の急激な変動がガスや電力の販売単価へ反映されるまでに一定の時間差が生じる制度上の仕組みです。当中間期は中東情勢の緊迫化などを背景に原油価格が上昇したため調達コスト増が先行し、全体で258億7,300万円のタイムラグ差損(前年同期は191億6,400万円の差益)が発生しました。前年同期と比べたタイムラグ損益の悪化幅は約450億円に達し、これが表面上の経常減益(約227億円減)を大きく主導しました。
一方で、この一時的なタイムラグ影響を取り除いた実質的な収益力を示す調整後経常利益(タイムラグ影響を除く経常利益)は、前年同期比25.8%増の1,085億円(1,085億7,800万円)へ拡大し、約223億円の増益を達成しました。日本向け平均輸入価格(JLC)と比較した長期契約LNGの価格競争力向上に加え、好調な米国・豪州の上流事業やフリーポートLNG液化基地の増益、さらには電力市場価格の上昇が国内エネルギー事業の採算改善に寄与したことが押し上げ要因となりました。
国内の販売動向では、国内ガス販売量が前年同期比2.9%減の29億4,700万m³(45MJ/m³換算)となりました。家庭用が前年同期比2.4%増の5億5,400万m³と堅調だったものの、業務用等が同4.0%減の23億9,300万m³へ落ち込みました。一方、国内電力販売量は同10.3%増の89億7,700万kWhへと拡大しました。小売販売量は同5.7%減の36億5,600万kWhと減少したものの、卸電力取引所向けなどを中心とする卸等販売量が同24.8%増の53億2,200万kWhへ急伸したことで全体を牽引し、連結増収に寄与しました。
通期の連結業績予想について、同社は原料費調整制度に基づくガス販売単価の上昇を見込み、通期売上高予想を従来の2兆1,700億円から2兆2,540億円(前期比11.0%増)へ840億円上方修正しました。ただし、通期のタイムラグ差損が従来見通し(70億円の差損)から360億円の差損へと290億円拡大する見通しとなったため、会計上の利益予想は営業利益1,500億円(同14.2%減)、経常利益1,900億円(同7.1%減)、親会社株主帰属の当期純利益1,450億円(同5.1%減)のまま据え置きました。その一方で、本業の実力を反映するタイムラグ影響を除く通期経常利益予想は、豪州・米国事業の伸長などを織り込んで従来予想から290億円引き上げ、前期比15.7%増となる2,260億円へ上方修正しました。
中東情勢の緊迫化に伴うLNG調達への影響について、会社側は調達国の分散や長期契約主体の確保(足元でホルムズ海峡を通過する長期契約はないこと)により直接的な供給影響は限定的と説明しています。下期(2026年10月~2027年3月)の前提条件は原油価格(JCC)を1バレル100ドル(従来80ドル)、為替レートを1ドル155円(従来160円)に見直しました。年間配当予想は前期実績(120円)から10円増配となる1株あたり130円(中間65円、期末予想65円)を据え置いています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













