東京メトロ、中間営業益1.6%減 旅客収入3%増も修繕・人件費が重荷、通期予想据え置き

2026年10月30日 18:19

今回のニュースのポイント

東京メトロの2027年3月期中間決算は、営業収益が前年同期比3.2%増の2,172億円、営業利益が同1.6%減の492億円となりました。輸送人員が2.8%増、旅客運輸収入が3.0%増と需要は堅調だったものの、修繕費や外注費、人件費などの増加が増収分を上回りました。旅客運輸収入は首都圏外からの流入減などで会社計画を約22億円下回りました。通期営業利益予想(814億円)および年間配当予想(44円)は据え置かれました。

本文
 東京地下鉄(東京メトロ)が2026年10月30日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期)連結決算(日本基準)は、営業収益が前年同期比3.2%増の2,172億63百万円、営業利益が同1.6%減の492億44百万円となりました。経常利益は同2.8%減の431億24百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同16.3%減の292億34百万円でした。輸送人員の増加により増収を確保したものの、営業費が同4.7%増と収入の伸びを上回り、営業利益率は前年同期の23.8%から22.7%へと1.1ポイント低下しました。通期の連結業績予想については、営業利益814億円(前期比9.1%減)などの期初予想を据え置いています。

 本業の運輸業では需要の回復基調が続きました。中間期の運輸業の営業収益は前年同期比2.3%増の1,974億38百万円、旅客運輸収入は同3.0%増の1,809億75百万円となりました。内訳は定期が同2.9%増の699億84百万円、定期外が同3.0%増の1,109億91百万円です。全体の輸送人員も約13億3,113万人と前年同期比2.8%増加(定期3.0%増、定期外2.5%増)し、利用は堅調でした。しかし、営業費の増加に伴い、運輸業の営業利益は同4.8%減の406億67百万円にとどまりました。なお、運輸業の減益には駅構内施設に関するグループ会社間の契約変更による影響も含まれますが、これはセグメント間の調整項目であり連結営業利益には影響しません。

 増収にもかかわらず営業減益となった主因は、各種費用の増加です。営業費の内訳をみると、人件費が前年同期比で約16億円増加したほか、経費が約44億円増加しました。経費増の内訳では、修繕費が約13億円増、外注費が約11億円増、電気料が約6億円増、撤去費が約2億円増となりました。さらに減価償却費も約14億円増加しています。修繕費や外注費、電気料、人件費、減価償却費などの増加が、旅客運輸収入の増加による効果を上回り、連結営業利益を押し下げました。

 旅客運輸収入は前年実績を上回ったものの、会社計画に対しては未達となりました。中間期の旅客運輸収入実績1,809億75百万円は、期初計画の1,831億61百万円を約21億86百万円下回りました。月次推移をみると、7月と8月は前年同月比4.1%増だった一方、9月は1.9%増と伸びが鈍化しました。同社は計画未達の背景として、首都圏外からの流入減少や天候不順などの影響を挙げています。需要自体の減退ではないものの、会社の想定ペースには届きませんでした。

 中間純利益が前年同期比16.3%減となった背景には、一過性損益の反動という特殊要因があります。前年同期には退職給付制度改定益64億8百万円を特別利益に計上していましたが、今中間期は計上がありませんでした。特別利益が前年同期の80億64百万円から12億61百万円へ減少したことが、最終利益を押し下げた主因です。なお、非鉄道事業では不動産事業の営業利益が同6.7%増の29億90百万円、ライフ・ビジネスサービス事業が同25.1%増の52億96百万円と増益を確保し、連結収益の下支えに寄与しました。

 通期の連結業績予想は、営業収益4,372億円(前期比3.5%増)、営業利益814億円(前期比9.1%減)と期初予想を維持しました。年間配当予想も1株当たり44円(中間22円、期末22円)を据え置いています。旅客運輸収入は前年同期を上回ったものの、修繕費や外注費などの増加が利益を圧迫しました。会社はこれらの費用計上が第4四半期に偏ることを見込んで通期予想を据え置いており、下期の旅客収入と費用の動向が計画達成を左右することになります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)