中国電力、中間営業赤字48億円 通期営業益90億円下方修正も最終益予想は上方修正

2026年10月30日 18:59

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中国電力の2027年3月期中間決算は、売上高が前年同期比9.0%増の7,919億円となった一方、電気事業の費用急増により営業損益は48億円の赤字(前年同期は909億円の黒字)に転落しました。通期予想では燃料費等調整の期ずれ差損拡大や需給悪化を受け営業利益を90億円引き下げました。送配電事業の収益改善が経常利益の下振れを一部補う一方、有価証券売却益を織り込み、最終利益予想を350億円へ40億円上方修正しました。ただし前期比では約5割の減益見通しです。

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 中国電力が2026年10月30日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期)連結決算(日本基準)は、売上高が前年同期比9.0%増の7,919億8百万円となった一方、営業損益は48億46百万円の赤字に転落しました。前年同期は909億30百万円の黒字でした。経常損益も49億76百万円の赤字、中間純損益は59億64百万円の赤字でした。同社は同日、通期業績予想を修正し、売上高予想を1,400億円引き上げたものの、営業利益予想を90億円下方修正しました。一方、有価証券売却益を織り込み、当期純利益予想は40億円引き上げて350億円としました。

 中間期の損益悪化は、営業費用の増加が売上高の伸びを大幅に上回ったためです。売上高(営業収益)が前年同期比で656億44百万円増加したのに対し、営業費用は6,353億34百万円から7,967億55百万円へと1,614億21百万円も急増しました。内訳では、電気事業営業収益が7,268億88百万円に拡大したものの、電気事業営業費用が7,316億90百万円へと大幅に膨らみました。電力供給に関わる費用の増加が重荷となり、増収ながらも本業が赤字に沈む会計構造となりました。

 通期の経常利益予想を従来予想比20億円減の380億円へ下方修正した主因は、燃料費等調整の期ずれ差損拡大と需給収支の悪化です。託送料金見直しによる送配電事業の営業利益改善(プラス110億円)を見込む一方、燃料価格高騰に伴う期ずれ影響が約300億円の差損から約380億円の差損へと80億円悪化し、需給悪化(マイナス40億円)が下押しします。ただし、期ずれ影響を除いた経常利益予想は従来の700億円から760億円へと60億円増額されており、制度上のタイムラグが表面上の利益を押し下げています。

 通期前提では、総販売電力量が621億kWhと17億kWh引き上げられ、売上高予想を1兆6,300億円(前期比13.0%増)へ押し上げました。一方、原油CIF価格の想定は1バレル当たり100ドルから104ドルへ上昇し、原子力設備利用率の想定も64%から63%へ低下しました。こうした前提変更のもと、通期営業利益予想は従来予想から90億円引き下げられ、430億円(前期比52.3%減)となりました。

 本業の利益予想が引き下げられるなか、最終利益予想を350億円へ40億円引き上げた背景には有価証券売却益の計上があります。同社は同日、持分法適用関連会社の中電工が実施する自己株式公開買付けに対し、保有株の一部(630万株、売却予定額約291億円)を応募することを発表しました。全株売却できた場合、関係会社株式売却益約50億円を計上する見込みですが、売却益は未確定です。今回の最終利益上方修正が中電工株売却によるものと直ちに断定はできないものの、資産売却益の活用が最終利益を支えています。

 損益悪化は資金面にも影を落とし、中間期の営業CFは134億85百万円のマイナス(前年同期は1,332億56百万円のプラス)へ転落しました。固定資産取得支出が1,514億99百万円へ増加し、フリーCFは流出超過となりました。借入れなどで補ったものの、自己資本比率は16.6%と前期末から0.2ポイント低下しました。なお、年間配当予想は1株当たり40円(中間20円、期末予想20円)で、前期実績の27円を13円上回る見通しです。

 増収を確保しながらも営業費用の増加が売上高の伸びを上回り、営業赤字へ転落した今回の中間決算。通期では燃料費等調整の期ずれ差損拡大や需給収支の悪化を見込む一方、送配電事業の収益改善が一部を補います。有価証券売却益により最終益を上方修正したものの、前期比では約5割の大幅減益を見込みます。持続的な収益力評価には、本業の電力供給における収支改善と営業CFの回復が重要となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)