子ども2人、長子が大学生の家庭は月49.3万円支出 未就学児世帯との差は21万円

2026年11月02日 11:47

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総務省の全国家計構造調査によると、子ども2人の4人家族では、長子が大学生・大学院生の世帯の月間消費支出が49万3,033円となり、未就学児世帯を約21.3万円上回りました。(資料写真)

今回のニュースのポイント

総務省が公表した2024年全国家計構造調査によると、夫婦と子ども2人の世帯で長子が大学生・大学院生の場合、月間消費支出は49万3,033円となり、長子が未就学児の世帯(28万40円)を約21.3万円上回りました。一方、平均年収も大学生世帯が1,028.9万円と未就学児世帯(835.1万円)より高く、支出増だけでなくライフステージに伴う収入や資産・負債構成の違いにも目を向ける必要があります。

本文
 総務省統計局は2026年10月30日、2024年実施の「令和6年全国家計構造調査」の詳細集計として、「年間収入・資産分布等に関する結果」の統計表を公表しました。今回公表されたデータは2024年時点における家計実態を詳細に捉えたもので、子どもの就学段階による消費支出の違いを浮き彫りにしています。特に注目されるのが、夫婦と未婚の子ども2人の4人家族において、長子の就学段階が異なる世帯群の間で、支出規模に大きな差がある点です。長子が大学生・大学院生の世帯では、長子が未就学児の世帯に比べて月間消費支出が21万円以上高くなっており、教育期における家計支出の大きさが統計から示されています。

 公表された第6-6表のデータによると、夫婦と未婚の子ども2人の世帯のうち、長子が大学生・大学院生の世帯(集計世帯数370世帯)における月間消費支出は平均49万3,033円でした。一方、同じ家族類型で長子が未就学児の世帯(同620世帯)は28万40円にとどまります。差額は21万2,993円で、大学生・大学院生世帯の支出は未就学児世帯の約1.76倍に達しています。なお、統計上の分類における「大学生」には大学院生も含まれており、高等教育段階にある子どもを持つ世帯で、生活費全体の支出水準が高くなる傾向が明確に表れています。

 もっとも、支出額の大きさだけで家計の状況を判断することはできません。年間収入の面でも両者には明確な開きがあります。長子が大学生・大学院生の世帯の平均年間収入は1,028.9万円と1,000万円を超える一方、未就学児世帯は835.1万円でした。その差は年間で193.8万円に上ります。世帯主や配偶者の年齢、就業状況などの違いが、収入水準の差に関係している可能性があります。ただし、この集計だけで要因は特定できません。したがって、月間約49.3万円という支出額だけを切り取って、直ちに家計が逼迫していると評価することは正確ではありません。

 家計の全体像を捉えるには、資産と負債のバランスも重要です。貯蓄現在高をみると、長子が大学生・大学院生の世帯は平均2,280.1万円であるのに対し、未就学児の世帯は964.7万円と、1,315.4万円の差があります。一方、負債現在高は未就学児の世帯が平均2,183.8万円に上るのに対し、大学生・大学院生の世帯は829.4万円にとどまり、未就学児世帯が1,354.4万円多くなっています。未就学児世帯の負債について住宅ローンなどの内訳を断定することはできませんが、子育て初期と後期では資産・負債の構造が大きく異なっています。

 こうした就学段階による差は、子ども1人の世帯でも同様に確認できます。夫婦と未婚の子ども1人の世帯では、子どもが未就学児の月間消費支出は28万4,354円(平均年収833.5万円、集計世帯数920世帯)でした。これに対し、子どもが大学生・大学院生の世帯では月間46万7,585円(平均年収997.6万円、同310世帯)となり、差額は18万3,231円(約1.64倍)です。子どもの人数にかかわらず、高等教育期にある世帯では乳幼児を育てる世帯に比べ、支出水準が大きく拡大する傾向が見られます。

 ただし、これらを読み解く際には慎重な視点が必要です。第一に、約21.3万円の支出差はすべてが教育費の増加分ではありません。この数値は食費や住居費、交通・通信費などを含めた消費支出全体の差額です。教育費以外の支出項目も含まれるため、この差額を大学進学に伴う教育費の増加分とみなすことはできません。第二に、本調査は同一家庭を追跡したものではなく、2024年時点で異なる世帯群を比較した横断調査です。親の年齢や生活様式などが異なるため、「子どもの成長によって支出が21万円増えた」という単純な因果関係として捉えることはできません。

 今回追加掲載された統計は、子どもの就学段階によって世帯の支出規模や収入・資産構成が大きく異なる実態を客観的に示しています。大学進学期を控える世帯にとっては、将来の家計支出を考える際の参考情報となります。同時に、支出の増加だけでなく収入や貯蓄の蓄積も含めた家計全体のバランスを見ることが不可欠です。統計の数字を短絡的な負担論に結びつけるのではなく、ライフステージごとの経済構造の違いを冷静に見つめる視点が求められます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)