金利上昇でもマイホームをあきらめない  「借りられる額」より「返せる額」の家づくり

2026年10月31日 13:53

自宅修繕

住宅模型と間取り図を使った家づくりのイメージ。住宅取得では建物本体の価格だけでなく、付帯工事費や将来の修繕費も考慮し、無理なく返済できる予算を組み立てることが重要となる(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

住宅金融支援機構の2026年1月調査では、住宅ローン利用予定者の53.5%が今後1年程度を住宅の「買い時」と考えた。一方、2025年10月に実施した返済者調査では37.8%が借入当初より実質的な返済負担感が増したと回答。4,000万円を35年間借りる試算では、年利1%と3%で毎月の返済額に約4.1万円の差が生じる。金利上昇下の家づくりでは、借入可能額ではなく、教育費や維持費も考慮した返済可能額が重要になる。アキュラホームとアイフルホームの住宅商品を例に、予算内で希望を調整する方法を考える。

本文
 住宅金融支援機構が実施した「住宅ローン利用予定者調査(2026年1月調査)」によると、今後5年以内に住宅取得を予定し、住宅ローンの利用を検討している回答者の53.5%が、今後1年程度を住宅の「買い時」と考えていることが分かりました。「買い時」と考える理由では「住宅ローン金利が上がりそう」が50.8%を占め、金利上昇への警戒感が住宅取得の判断に影響している様子がうかがえます。一方、同機構が2025年10月に実施した住宅ローン返済者を対象とする調査では、借入当初より実質的な返済負担感が「大きくなった」「やや大きくなった」と答えた割合が合計37.8%に達しました。住宅取得を急ぐ心理がある一方、購入後の家計負担にも目を向ける必要があります。

 住宅購入を検討する際、金融機関の審査基準に基づいて算出される「借りられる額」と、家計が将来にわたって無理なく支払いを続けられる「返せる額」は必ずしも一致しません。年収や現在の支出だけでなく、将来必要となる子どもの教育費、老後資金、万一の事態に備える生活防衛資金、さらには家族構成の変化なども織り込む必要があります。住宅ローンの借入可能額を予算の出発点とするのではなく、毎月の家計収支から無理なく返済に充てられる金額を見極め、それを起点に土地や建物の予算を組み立てることが重要です。

 住宅ローンの金利条件による影響も無視できません。借入額4,000万円、返済期間35年(420回)、元利均等返済、ボーナス返済なしの条件で、金利が全期間変わらないと仮定して試算すると、年利1.0%では毎月の返済額が約11.3万円(112,914円)、35年間の総返済額は約4,742万円となります。年利2.0%では毎月約13.3万円(132,505円)、総返済額は約5,565万円となり、年利1.0%の場合より毎月約2.0万円、総額で約823万円増加します。さらに年利3.0%では毎月約15.4万円(153,940円)、総返済額は約6,465万円となり、年利1.0%との差は毎月約4.1万円、35年間で約1,723万円に広がります。固定金利型と変動金利型の特徴も踏まえ、将来の金利変動に耐えられる返済余力を見込んでおくことが重要です。(これは金利差による返済負担の違いを示す仮定の試算であり、現在の住宅ローン金利や将来の金利動向を示すものではありません。また、融資手数料、保証料、税金、保険料、住宅の修繕・維持費などは含まれていません。)

 住宅予算を検討する上では、広告などに表記される「建物本体価格」だけで総額を判断しない姿勢も不可欠です。実際のマイホーム取得には、土地購入費に加え、地盤改良や屋外給排水などの付帯工事費、外構工事費、各種登記費用や仲介手数料といった諸費用も発生します。さらに、入居後も固定資産税・都市計画税の納税、火災・地震保険の更新、将来の外壁塗装や設備修繕に向けた積立金が発生するため、住宅取得総額と維持管理費を包括的に見積もる必要があります。

 予算の制約がある中でも暮らしの希望を具現化する手法として、設計手法を工夫した住宅商品の活用が挙げられます。完全自由設計の注文住宅で培った設計力とノウハウを凝縮したアキュラホームが展開するのが「AQコレクション」。平屋から1.5階、2階、2.5階建てまで300以上のプランから選択できるセレクト型住宅です。本商品の大きな特徴は、数多くの住まいづくりで支持されてきた「人気の間取り・生活動線」をベースに体系化されていること。共働き・子育て世帯にとって、ゼロベースの打ち合わせにかかる時間や心理的負担を大幅に削減できます。一方で、仕様やカラーセレクトなど自分らしさを反映できる選択の余地も残されており、住まいづくりの楽しさは損なわれません。優れたコストパフォーマンスと高い完成度を両立する、現代の家づくりにおける合理的な商品となっています。

 別の手法として、建物の面積規模を軸に価格をコントロールする仕組みもあります。アイフルホームの「ロディナ(LODINA)」は、建物の大きさに応じて本体価格を設定するセミオーダー住宅です。定められたルールの範囲内であれば、同じ規模のまま間取りを変更しても建物本体価格が変動しない仕組みを案内しており、家族構成に合わせた空間調整が可能です。ただし、変更可能な壁の配置や建具の数には制限があり、オプション設備や付帯工事費まで定額化されるわけではない点に留意する必要があります。

 これら2社の住宅商品は異なる設計手法を採用していますが、いずれも延床面積や間取りの自由度、断熱性・耐震性などの基本構造性能、初期保証の内容、土地条件に応じた付帯工事の範囲を同一基準にそろえて比較検討することが重要です。建築時の初期費用を抑えることと同時に、入居後の冷暖房光熱費や長期的な設備更新コストを考慮した総合的な評価が欠かせません。

 年末前の家計見直しを行うこの時期、翌年以降の生活設計をする好機となります。年間の収支バランスや教育資金の必要時期、金利が変動した場合の返済許容度、将来の住宅維持費を整理し、希望する建物の広さや設備仕様に優先順位を付けることが大切です。返済負担に追われない安心な暮らしを守るためにも、借入可能額ではなく無理のない返済可能額から逆算した家づくりを進めることが賢明です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)