JAL、過去最高の売上収益でも最終利益42%減 燃油費47%増が収益圧迫

2026年11月02日 12:11

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日本航空。2026年4~9月期の連結決算は、売上収益が再上場後の中間期として過去最高となった一方、航空燃油費の47.4%増が利益を圧迫し、最終利益は前年同期比42.2%減となりました。(資料写真)

今回のニュースのポイント

日本航空(JAL)が発表した2027年3月期中間決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比11.7%増の1兆989億円となり、再上場後の中間期として過去最高を記録しました。一方で、中東情勢を受けた燃油市況の高騰や円安により航空燃油費が47.4%増と急増し、EBITは同36.0%減の701億円、親会社帰属の中間利益は同42.2%減の390億円と大幅減益となりました。普通株式の年間配当予想96円は据え置かれています。

本文
 日本航空(JAL)は2026年11月2日、2027年3月期第2四半期(中間期・2026年4月1日~9月30日)の連結決算(国際財務報告基準=IFRS)を発表しました。売上収益は前年同期比11.7%増の1兆989億8,000万円となり、再上場後の中間期として過去最高を記録しました。しかし利益面は大幅な減益となりました。同社が業績評価指標として用いる財務・法人所得税前利益(EBIT)は同36.0%減の701億7,200万円、税引前中間利益は同38.4%減の633億6,700万円となりました。最終的な親会社の所有者に帰属する中間利益(純利益)は同42.2%減の390億6,600万円にとどまり、売上収益の最高更新と大幅減益が併存する決算となりました。売上に対するEBITの割合を示すEBITマージンも、前年同期の11.2%から6.4%へと4.8ポイント低下しています。

 利益を大きく圧迫した主因は航空燃油費の急増です。中間期の営業費用全体は前年同期比16.5%増の1兆382億円と、売上収益の伸び(11.7%増)を上回りました。このうち航空燃油費は前年同期の1,938億円から2,856億円へと47.4%(約918億円)増加しました。燃油費の増加額約918億円は、売上収益の増加額約1,150億円の約8割に相当する規模です。会社側は中東情勢の緊迫化に伴う燃油市況の高騰と、継続する円安基調がコストを大きく押し上げたと説明しています。燃油費以外の営業費用も同8.0%増の7,526億円に増えましたが、費用の急増を主導したのは燃油市況と為替動向でした。

 主力の旅客事業では、利用者の動向と収入に対照的な特徴がみられました。国際線・国内線ともに旅客数が前年同期を下回る一方、旅客単価の上昇などにより旅客収入は増加しました。フルサービスキャリア事業の国際線旅客は有償旅客数が前年同期比3.1%減の386万3,532人、座席利用率が82.8%(前年同期85.5%)と低下しましたが、燃油サーチャージ引き上げや価格調整により旅客単価が同19.7%増の11万424円へと上昇し、旅客収入は同16.0%増の4,266億円となりました。国内線旅客も有償旅客数が同2.2%減の1,869万8,333人にとどまる一方、単価が同8.2%増の1万7,098円へ伸び、旅客収入は同5.8%増の3,197億円となりました。全社的な利用者急増ではなく、単価引き上げが旅客数減少を補う収益構造となっています。

 増収には国際貨物事業の伸長も寄与しました。国際貨物収入は前年同期比46.8%増の1,039億円へと拡大しました。輸送量を表す有償貨物トン・キロが同8.5%増にとどまる一方、重量単価が同37.6%増と大幅に上昇しました。貨物専用機ネットワークの活用により、AI関連を中心としたアジア発北米向けの需要を取り込んだことなどが奏功しました。セグメント別では、フルサービスキャリア事業のEBITが同45.3%減の416億円、LCC事業のEBITが同73.0%減の18億円と航空事業が苦戦したのに対し、マイル/金融・コマース事業はJALカード決済やマイル発行収入の伸長によりEBITが同5.4%増の222億円と増益を確保し、下支え役を果たしました。

 四半期単独の推移をみると、2026年7~9月期の第2四半期単独では売上収益が前年同期比12.2%増の5,752億円、EBITが同10.5%減の574億円、親会社帰属利益が同16.9%減の337億円でした。上期累計のEBIT36.0%減、純利益42.2%減と比べると、7~9月期単独では減益幅が縮小しています。会社側は第1四半期のEBIT下振れを挽回し、上期累計で期首計画を上回る水準に回復したと説明しています。ただし前年同期比では減益が続いており、増益に転じたわけではありません。

 通期業績予想および配当方針について同社は、通期の連結業績予想を据え置きました。通期予想は売上収益が前期比4.1%増の2兆950億円、EBITが同17.4%減の1,800億円、親会社所有者帰属利益が同20.1%減の1,100億円です。株主還元では、普通株式の中間配当を前年同期実績より2円増配の1株当たり48円に決定しました。期末配当予想48円と合わせた普通株式の年間配当予想は96円で変更ありません。なお、社債型種類株式の年間配当予想は331円50銭です。旅客や貨物の単価改善により再上場後最高の売上収益を達成したものの、燃油費急増を中心とするコスト増が利益を圧迫した中間決算となりました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)