住友商事、中間純利益15.5%増の3479億円 基礎的収益750億円増、税引前では減益

2026年11月02日 13:16

今回のニュースのポイント

住友商事が発表した2027年3月期中間決算(IFRS)は、税引前利益が前年同期比7.4%減の3,450億円となった一方、親会社帰属中間利益は同15.5%増の3,479億円となりました。ニッケル事業売却に伴う税効果に加え、会社独自の「基礎的収益」が資源やデジタル分野の好調で750億円伸びたことが増益に寄与しました。通期の純利益予想を6,700億円に上方修正し、株式分割を考慮した年間配当予想も44円へ引き上げています。

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 住友商事は2026年11月2日、2027年3月期第2四半期(中間期・2026年4月1日~9月30日)の連結決算(国際財務報告基準=IFRS)を発表しました。親会社の所有者に帰属する中間利益は前年同期比15.5%増の3,478億6,500万円(約3,479億円)と大幅増益でした。好調な進捗を踏まえ、同社は通期の親会社帰属当期利益予想を従来の6,300億円から6,700億円へ400億円上方修正しました。また、年間配当予想も従来予想の40円から4円増額し、1株当たり44円へ引き上げる方針を決めました。

 もっとも、損益計算書の内訳を精査すると、利益段階によって異なる動きを示しています。連結収益は前年同期比10.8%増の3兆9,185億6,100万円(約3兆9,186億円)と増収だったものの、税引前利益は同7.4%減の3,449億5,900万円(約3,450億円)と前年同期比で274億円減少しました。税引前段階での減益にもかかわらず最終利益が増加した背景には、税負担の大幅な好転があります。前年同期には法人所得税が411億円の費用として計上されましたが、今中間期はマダガスカルのニッケル事業売却に伴う税効果などにより157億円の利益方向の計上となり、税引後利益を押し上げる方向に568億円変化しました。この税効果が税引前利益の減少分を補い、親会社帰属中間利益を押し上げる主要因となりました。

 最終利益の増加は単なる税効果にとどまらず、事業活動による収益力の拡大も伴っています。同社が独自に定義する管理指標「基礎的収益」(親会社帰属当期利益から資産入替関連および特殊損益を除いたもの)は、前年同期の2,590億円から3,340億円へと750億円(約29%)増加しました。一方、資産入替関連および特殊損益は前年同期の430億円から130億円へと300億円縮小しています。会社側の説明によると、基礎的収益の増加には為替や資源価格などの外部環境による押し上げが370億円含まれる一方、これらを除いた事業自体の利益成長も計390億円に上ります。資産入替関連・特殊損益が減少する一方、会社が定義する基礎的収益は拡大しました。

 セグメント別の動向をみると、資源やテクノロジー分野の好調と、一時的利益の反動減が対照的な結果をもたらしました。親会社帰属中間利益の増加を牽引したのは資源事業で、銅価格の上昇やアルミのマージン拡大、貴金属取引の好調により前年同期比228億円増の544億円となりました。また、SCSKの持分比率増加や国内IT投資の堅調さを捉えたデジタル・AI事業が同85億円増の236億円、航空機リース事業の利益貢献が始まった輸送機・建機事業が同96億円増の499億円、海外発電事業の資産回転が進んだエネルギートランスフォーメーション事業が同100億円増の582億円と伸長しました。これに対し、自動車事業は前年同期の米国タイヤ販売事業会社売却益の反動により同299億円減の235億円、都市総合開発事業も不動産引き渡しの反動で同121億円減の320億円となりました。

 通期の業績見通しについて同社は、中間期実績が期初予想に対して約52%と順調な進捗を示したことや基礎的収益の拡大を反映し、通期純利益予想を前期比11.6%増の6,700億円へ引き上げました。なお、会社側は不確実性に備え、資産入替損益の下振れや期末評価損の可能性を考慮した300億円のバッファーを織り込んでおり、考慮前では7,000億円を見込んでいます。このバッファーは確定損失ではなく見通し上の調整額です。株主還元では、年間配当予想を期初計画から4円増の44円(中間配当22円決定、期末配当予想22円)としました。同社は2026年7月1日付で1株につき4株の株式分割を実施しており、今回の年間44円予想は前期の分割前実績150円(分割後換算37円50銭)に対して実質的な増配水準となります。

 財務面では、大型投資に伴う負債の拡大がみられます。2026年9月末の総資産は13兆3,331億円、親会社所有者帰属持分比率は35.5%となった一方、ネット有利子負債は航空機リース事業の買収やSCSK株式の追加取得などにより前期末から7,084億円増加して3兆8,556億円となり、ネットD/Eレシオは0.81倍になりました。当中間決算は、税引前では減益だったものの、税効果が最終利益を押し上げました。一方、会社独自の基礎的収益は拡大しており、収益構造の変化もみられます。こうした動向を踏まえ、通期予想の上方修正と増配が決定されました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)