今回のニュースのポイント
国内航空大手2社の2027年3月期中間決算が出そろい、JAL(IFRS)の売上収益が再上場後最高、ANA(日本基準)の売上高が第2四半期として最高を更新しました。しかし燃油高や円安による費用増が響き、JALのEBITが36.0%減、ANAの営業利益が9.7%減とそろって減益となりました。国際線旅客の伸び方に違いがみられるなか、ANAは費用高騰や路線維持に対応するため、地域航空2社を束ねる持株会社の完全子会社化へ動き出しています。
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日本航空(JAL)が2026年11月2日に発表した中間連結決算により、10月29日発表のANAホールディングス(ANA)と合わせ、大手2社の上期決算が出そろいました。両社とも旺盛な需要を取り込み売上高・売上収益が過去最高水準となる一方、利益面では前年同期を下回りました。会計基準はJALがIFRS、ANAが日本基準です。JALの売上収益は前年同期比11.7%増の1兆989億円(再上場後最高)、EBITは同36.0%減の701億円、親会社帰属中間利益は同42.2%減の390億円でした。一方、ANAの売上高は同17.5%増の1兆3,987億円(第2四半期として最高)、営業利益は同9.7%減の881億円、親会社株主帰属中間純利益は同11.8%減の670億円となりました。
両社が増収減益となった主因は営業費用の急増です。中東情勢を受けた燃油高と円安が利益を圧迫しました。JALでは売上収益が約1,150億円増えたのに対し、営業費用は約1,474億円増加しました。なかでも航空燃油費は前年同期比47.4%増の2,856億円へ急増し、燃油費増加分だけで増収額の約8割に達しました。一方のANAも、売上高が約2,083億円増加したのに対し、営業費用は日本貨物航空(NCA)の影響を含めて2,178億円増加しました。ANAの航空事業のセグメント営業利益も同15.8%減の801億円となりました。両社ともコスト増が収益性を圧迫しましたが、ANAの営業費用増加にはNCAの連結期間の違いなども影響しています。
一方、国際線旅客事業では対照的な違いがみられました。JALは有償旅客数が前年同期比3.1%減の386万3,532人、座席利用率が82.8%へ低下したものの、燃油サーチャージ改定や価格調整で旅客単価が同19.7%増へ急伸し、旅客収入は同16.0%増の4,266億円を確保しました。これに対し、ANAブランドの国際線旅客はインバウンドや日本発レジャー需要を獲得し、旅客数が同8.7%増の467万2,567人、利用率が83.3%と伸長しました。旅客数と単価の双方が寄与して、旅客収入は同21.2%増の4,920億円へと拡大しています。単価引き上げで補ったJALに対し、規模拡大で増収を牽引したANAという違いが表れています。
国内線では、両社とも旅客数の伸び悩みが共通しています。JALの国内線有償旅客数は前年同期比2.2%減の1,869万8,333人にとどまる一方、単価改善で旅客収入は同5.8%増の3,197億円となりました。ANAブランドの国内線旅客数も約2,257万人と前年同期比ほぼ横ばいで、運賃見直しなどで旅客収入は同1.0%増の3,703億円と微増でした。国内線が伸び悩む一方、共通の牽引役となったのが国際貨物です。JALの国際貨物収入は同46.8%増の1,039億円へ急伸し、ANAブランドの国際貨物収入も同34.4%増の1,168億円となりました。また、ANAグループのNCAも貨物収入1,007億円を計上しました。ただし、前年同期比には連結対象となった期間の違いが含まれます。
通期業績予想への対応でも両社で違いがみられました。JALは通期連結業績予想を据え置き、売上収益2兆950億円(前期比4.1%増)、EBIT1,800億円(同17.4%減)の従来予想を維持しました。これに対しANAは、需要好調を受け通期売上高予想を従来値から1,000億円引き上げ、2兆8,700億円(前期比13.0%増)へ上方修正しました。ただしANAも下期の燃油負担を見込み、営業利益予想は1,500億円(同31.0%減)のまま据え置きました。ANAは下期の算定前提について、為替前提を1ドル=160円、ジェット燃料を1バレル150ドルへ引き上げ、燃油高を警戒しています。
こうした費用高騰や需要構造の変化を背景に、国内航空網の再編に向けた動きも本格化しています。ANAは決算発表と同日の10月29日、AIRDOとソラシドエアの持株会社であるリージョナルプラスウイングス(RPW)について、株式交換による完全子会社化へ向け基本合意したと発表しました。効力発生日は2027年4月1日予定ですが、正式な契約や交換条件は未確定です。2026年5月の規制緩和を受けたもので中間期の減益が直接の理由ではありませんが、事業計画や収入管理、機材・燃油の調達などで連携を深め、地域航空ネットワークの維持と収益性改善を目指しています。最高売上の一方でコスト増に直面するなか、各社は国際線の強化とともに国内網の構造改革を進めています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













