今回のニュースのポイント
住友化学が発表した2027年3月期中間決算(IFRS)は、石油化学事業を含むエッセンシャル&グリーンマテリアルズのコア営業損益が前年同期比807億円改善して黒字転換し、住友ファーマ事業の減益を補って連結コア営業利益は同32.9%増の1,445億円となりました。非支配持分への帰属額減少により親会社帰属中間利益は同108.8%増の829億円と倍増しました。通期純利益予想を900億円へ上方修正し、年間配当予想も17円へ増額しています。
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住友化学は2026年11月2日、2027年3月期第2四半期(中間期)の連結決算(国際財務報告基準=IFRS)を発表しました。売上収益は前年同期比7.1%増の1兆1,728億円、独自の経常的収益指標であるコア営業利益は同32.9%増の1,445億円、営業利益は同33.2%増の1,381億円となりました。特に親会社の所有者に帰属する中間利益(中間純利益)は前年同期比108.8%増の829億円と、前年同期の397億円から約2.1倍に急拡大しました。これを受け、同社は通期の親会社帰属当期利益予想を従来の700億円から900億円へ200億円上方修正し、年間配当予想も16円から17円へ増額することを決めました。
中間決算における最大の焦点は、石油化学事業を含むエッセンシャル&グリーンマテリアルズ事業の損益改善です。同事業のコア営業損益は前年同期の186億円の赤字から621億円の黒字へ転換し、807億円改善しました。この改善幅は、連結コア営業利益全体の増加額358億円を上回る規模です。同事業の売上収益は前年同期の3,291億円から3,209億円へと83億円減少しており、売上減のなかでの大幅増益となりました。会社側は主因として、中東情勢の影響を受けた持分法適用会社ペトロ・ラービグ社の業績改善や、合成樹脂などの市況上昇に伴う在庫評価差益の発生を挙げています。ただし、在庫差益や市況要因は変動を伴うため、改善のすべてが恒常的な体質向上によるものとは断定できません。
持分法による投資損益の改善もコア営業利益を大きく押し上げました。4~9月の中間期全体における住友化学の連結持分法投資損益は367億円の利益となり、前年同期の273億円の損失から約640億円好転しました。同社は第2四半期単独(7~9月)でも持分法投資利益244億7,900万円を計上したと別途公表しています。この計上もペトロ・ラービグ社の業績改善などが主因とされますが、244億円余りは連結全体の数値であり同社単独の寄与額ではありません。住友化学のコア営業利益には持分法投資損益が含まれるため、この改善が全体の利益押し上げに直結しています。
石油化学事業が急回復した一方、医薬品分野の住友ファーマ事業は対照的な減益となりました。住友ファーマ事業の売上収益は、米国での前立腺がん治療剤や過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」の伸長により、前年同期比394億円増の2,655億円と増収でした。しかし、コア営業利益は前年同期の973億円から436億円へ538億円減少しました。これは医薬品販売の不振ではなく、前年に計上したアジア事業一部譲渡益の剥落や、米国での販売促進費、がん・精神神経領域の研究開発費の増加が主因です。他事業では、アグロ&ライフソリューション事業が農薬堅調などでコア営業利益208億円(96億円増)となった一方、ICT&モビリティソリューション事業は前年の譲渡益剥落が響き319億円(12億円減)でした。
損益全体では、親会社帰属利益と連結全体の利益の伸び率に大きな差がみられます。連結全体の中間利益が前年同期比16.2%増の1,057億円にとどまる一方、親会社帰属中間利益は同108.8%増と倍増しました。最大の要因は非支配持分に帰属する中間利益が前年同期の512億円から228億円へと減少した点にあります。連結利益に占める親会社帰属分の割合が高まりました。一方、法人所得税は前年の利益方向から今期は163億円の費用計上へ転じており、税引前利益からの伸びを抑えました。グループ全体の利益が倍増したわけではなく、非支配持分に帰属する利益が減少したことも、親会社帰属利益の増加率が高くなった要因です。
通期業績予想について住友化学は上方修正を発表しました。通期予想は売上収益2兆4,900億円(前期比6.9%増)、コア営業利益2,700億円(同29.6%増)、親会社帰属当期利益900億円(同47.7%増)となります。特にエッセンシャル&グリーンマテリアルズ事業の通期コア営業利益予想を従来の200億円から750億円へ550億円引き上げたことや、半導体材料の出荷増や「ジェムテサ」の好調が寄与します。株主還元では、中間配当実績を8円とし、期末配当予想を9円へ増額して年間配当予想を17円(前期実績13円50銭)としました。財務面でも有利子負債が前期末比641億円減の1兆874億円へ縮小し、自己資本比率は32.1%へ改善しています。石油化学事業の大幅改善が医薬品事業の減益を補い、全体の収益見通しを引き上げる中間決算となりました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













