今回のニュースのポイント
大手総合商社5社の2027年3月期中間決算が出そろい、親会社帰属中間純利益は5社合計で前年同期比増益となる2兆4,610億円に達しました。首位の三菱商事(6,197億円)をはじめ、伊藤忠商事(5,805億円)、三井物産(5,749億円)、住友商事(3,479億円)、丸紅(3,380億円)の全社が増益を達成しました。通期予想は4社が上方修正し5社合計で4兆5,000億円を見込みますが、資源・非資源の比率や資産売却、税効果など各社の収益構造には違いがみられます。
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大手総合商社5社の2027年3月期中間連結決算(国際財務報告基準=IFRS)が2026年11月4日までに出そろいました。2026年4~9月期の親会社の所有者に帰属する中間純利益は、各社の億円単位の表示値を合算すると2兆4,610億円となり、前年同期比ですべての商社が増益を達成しました。中間純利益の順位は、首位が三菱商事の6,197億円(前年同期比74.2%増)、2位が伊藤忠商事の5,805億円(同16.0%増)、3位が三井物産の5,749億円(同35.7%増)、4位が住友商事の3,479億円(同15.5%増)、5位が丸紅の3,380億円(同10.6%増)となりました。利益規模および増益率の双方で三菱商事がトップに立ち、伊藤忠商事と三井物産の上位争いも56億円差と拮抗するなど各社の高い収益力が示されています。
首位の三菱商事は、エネルギー&パワーソリューション部門の中間純利益が前年同期比848億円増の1,901億円、金属資源部門が同892億円増の1,358億円と急拡大し、全体の増益を大きく牽引しました。北米LNG事業の取引増や銅市況の上昇に加え、会社独自の巡航利益が5,391億円へ拡大し、資産・事業リサイクル関連損益も1,092億円へ増加しました。3位の三井物産も中間利益が5,749億円と上半期の過去最高を更新しました。モビリティ・デジタル・インフラ部門の中間利益は前年同期比510億円増の1,537億円となり、金属資源や化学品、資産再編益も寄与しています。三井物産は通期純利益予想を期初計画から1,300億円引き上げて1兆500億円とし、上方修正額は5社中最大となりました。
2位の伊藤忠商事は中間純利益5,805億円を計上し、上半期としての過去最高益を更新しました。独自の管理指標である基礎収益も同33%増の5,045億円と過去最高となり、全事業セグメントで基礎収益が増加しました。基礎収益に占める非資源分野の比率は85%に達し、厚い非資源基盤を堅持しています。一方、4位の住友商事は税引前利益が同7.4%減の3,450億円と減益でしたが、ニッケル事業売却に伴う税効果などの好転により親会社帰属純利益は同15.5%増の3,479億円となりました。独自の基礎的収益も750億円増加しています。5位の丸紅はチリ銅事業や石油化学品取引の伸長が寄与し、中間純利益は同10.6%増の3,380億円と堅調でした。
中間期の順調な進捗を受け、通期の親会社帰属当期利益予想では5社中4社が上方修正を行いました。最新の通期予想は、三菱商事が従来予想比1,000億円増の1兆2,000億円、三井物産が同1,300億円増の1兆500億円、住友商事が同400億円増の6,700億円、丸紅が同500億円増の6,300億円です。4社の上方修正額合計は3,200億円に上ります。期初予想の9,500億円を据え置いた伊藤忠商事を含め、5社の修正後通期純利益予想の合計は4兆5,000億円に達しました。なお、中間期の実績順位では伊藤忠商事が三井物産を56億円上回り2位となりましたが、通期予想順位では三井物産が伊藤忠商事を1,000億円上回る見込みです。これらは会社予想であり、下期の動向により変動します。
株主還元策では、三菱商事による大規模な資本政策が際立ちました。同社は上限1兆円(4億2,000万株)の自己株式取得枠の設定と、今回取得する株式全数の消却予定を決議しました。自己株式取得枠は三井物産(上限2,000億円)、伊藤忠商事(上限3,000億円)、丸紅(上限1,000億円)も設定しています。年間配当予想は、三菱商事125円、三井物産140円、伊藤忠商事44円、住友商事44円、丸紅125円となりました。今回の中間決算で配当予想を引き上げたのは、4円増配した住友商事と10円増配した丸紅の2社です。なお、伊藤忠商事は2026年1月に1株を5株、住友商事は同年7月に1株を4株とする株式分割を実施しており、1株当たり配当額の単純比較には注意が必要です。
大手5商社がそろって最終増益となった今回の中間決算ですが、その収益構造には各社の戦略的な特徴が反映されています。資源・エネルギー市況を取り込んだ三菱商事、非資源の稼ぐ力を高めた伊藤忠商事、幅広い事業展開と資産再編を進める三井物産、税効果と基礎収益拡大を両立させた住友商事、銅や化学品が好調な丸紅と、増益の背景は一様ではありません。各社が公表する巡航利益や基礎収益などの独自指標は定義が異なり、同一基準での横並び比較はできません。今回の中間決算では、三菱商事の資産・事業リサイクル関連損益が1,092億円に増加した一方、住友商事は税引前利益が減少しながらも税効果などによって最終増益となるなど、利益の構成にも違いが表れています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













