今回のニュースのポイント
ダイキン工業が2026年11月5日に発表した2027年3月期中間決算は、売上高が前年同期比17.4%増の2兆9,108億円、営業利益が同9.8%増の2,708億円となり、上期として過去最高を更新しました。円安や値上げ、化学事業の急伸が寄与した一方、原材料高等で営業利益率は9.3%へ低下しました。通期営業利益予想を従来の4,360億円から4,550億円へ上方修正し、年間配当予想も従来計画から10円増額の1株当たり370円(前期比30円増配)に引き上げました。
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ダイキン工業株式会社は2026年11月5日、2027年3月期中間連結決算(日本基準)を発表するとともに、通期業績予想の上方修正および配当予想の増額を公表しました。当中間期の売上高は前年同期比17.4%増の2兆9,107億6,600万円、本業の儲けを示す営業利益は同9.8%増の2,707億9,300万円となり、売上高と営業利益の双方が上期としての過去最高を更新しました。経常利益は同2.2%増の2,471億8,800万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同7.5%増の1,729億5,900万円でした。好調な業績進捗を踏まえ、通期の連結営業利益予想を従来の4,360億円から4,550億円へと190億円引き上げました。あわせて年間配当予想も従来の360円から370円へと増額しました。
上期の業績動向を詳細にみますと、大幅な増収を達成した一方で利益率には変化が生じています。売上高が前年同期比17.4%増と二桁の伸びを示したのに対し、営業利益の伸び率は9.8%にとどまり、売上高営業利益率は前年同期の9.9%から9.3%へと0.6ポイント低下しました。収益押し上げには為替の円安進行が寄与しており、為替による押し上げ効果は売上高で約2,005億円、営業利益で約60億円に達しました。為替影響を除く実質ベースの前年同期比では、売上高が109%、営業利益が107%となっており、為替要因を除外しても増収増益を維持しています。ただし、円換算の売上高の急増には為替の嵩上げ効果が含まれており、販売数量の伸びだけで17.4%の増収となったわけではありません。
中核事業である空調・冷凍機事業の売上高は前年同期比17.0%増の2兆6,996億5,700万円、営業利益は同5.2%増の2,443億6,400万円となりました。地域別の事業環境には明暗がみられ、北米市場では住宅用空調の需要回復が限定的にとどまった一方、旺盛な生成AI投資を背景にデータセンター向け大型空調設備のチラーやカスタムエアハンドリングユニットの販売が大きく伸長しました。欧州市場では熱波による冷房需要の拡大に加え、ガス価格高騰や電化政策を追い風にヒートポンプ式温水暖房機器の販売が好調に推移しました。一方、中国市場では不動産不況の影響により市場全体の需要減速が続きました。米州やアジアでのコスト増も重なり、同事業の営業利益率は前年同期の10.1%から9.1%へと1.0ポイント低下しました。
空調事業に対して高い収益性の改善を示したのが化学事業です。化学事業の売上高は前年同期比25.2%増の1,587億8,900万円、営業利益は同77.3%増の242億1,400万円へと急拡大しました。営業利益率は前年同期の10.8%から15.2%へと4.4ポイント大幅に上昇しました。世界的な半導体需要の回復を背景に半導体製造装置向けのフッ素樹脂が伸長したほか、データセンター向け高速通信用のフッ素樹脂被覆材の需要拡大を捉えました。さらに、半導体プロセス向けエッチング剤の拡販や新製品の投入、供給力の拡大も収益拡大を後押ししました。空調・冷凍機事業の利益率が低下するなかにあって、高付加価値商品を擁する化学事業の躍進が全社の利益成長を支える構造となりました。
上期営業利益の増減要因をみますと、期初想定を上回るコスト上昇を積極的な施策で跳ね返した構図となりました。原材料市況の高騰や物流費の増加に伴う「原材料等」の影響がマイナス770億円、固定費ほかでマイナス350億円の減益要因が生じました。これに対し、高付加価値商品の拡販効果プラス492億円、価格施策プラス460億円、コストダウンプラス350億円、為替効果プラス60億円を積み上げ、増益を確保しました。なお、コストの内訳には米国関税の直接影響マイナス103億円と関税還付プラス126億円が含まれています。通期の連結売上高予想は従来の5兆1,500億円から5兆4,400億円(前期比8.5%増)へ、営業利益予想は4,550億円(同9.6%増)へ上方修正し、通期営業利益率は8.4%の見通しです。
株主還元につきましては、中間期の過去最高益達成と通期見通しの上方修正を反映し、配当予想の増額が公表されました。2026年11月5日開催の取締役会において、中間配当を従来予想の180円から5円増額し1株当たり185円とすることを決定しました。中間配当の効力発生日は2026年12月2日です。あわせて期末配当予想につきましても従来の180円から5円引き上げ185円へ修正しました。なお、下期の会社前提為替レートは1米ドル=150円、1ユーロ=175円、1中国元=22.0円を設定しています。年間配当予想は1株370円となり、前期実績の340円を30円上回る見込みです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













