住友林業、1~9月期経常益39.7%減の772億円 米住宅事業が苦戦、通期予想を下方修正

2026年11月05日 18:22

今回のニュースのポイント

住友林業が2026年11月5日に発表した2026年12月期第3四半期累計決算は、売上高が前年同期比21.1%増の1兆9,785億円、経常利益が同39.7%減の772億円でした。米TPH社の買収効果で増収となった一方、買収効果を除く米国住宅事業は減収・大幅減益となりました。好調な豪州住宅事業や受注単価が上昇した国内住宅事業があったものの、米国住宅の採算悪化等により通期営業利益予想を1,250億円へ下方修正。通期純利益予想600億円は据え置きました。

本文
 住友林業株式会社は2026年11月5日、2026年12月期第3四半期累計の連結決算(日本基準)を発表するとともに、通期連結業績予想の下方修正を公表しました。当第3四半期累計の売上高は前年同期比21.1%増の1兆9,784億8,900万円と大幅な増収となった一方、営業利益は同19.3%減の996億3,700万円、経常利益は同39.7%減の771億6,900万円へと落ち込みました。親会社株主に帰属する四半期純利益は同43.6%減の396億5,400万円でした。米住宅会社Tri Pointe Homes(TPH社)の新規連結効果が売上高を押し上げたものの、主力の米国住宅事業における市況悪化やインセンティブ費用の増加、不動産事業の損失拡大が響き大幅な減益となりました。同社は通期の連結営業利益予想を従来の1,430億円から1,250億円へと180億円引き下げました。

 収益悪化の主因となったのが、中核である米国住宅事業の採算悪化です。米国住宅事業の売上高は、2026年5月14日に連結子会社化したTPH社の業績取り込み(4~9月の6か月分)により、前年同期比33.7%増の7,545億円へと伸長しました。しかし、TPH社の買収効果を除いた既存5社ベースの参考値でみますと、売上高は前年同期比6.5%減の5,279億円と減収に転じています。経常利益におきましても、買収効果を含めても前年同期比27.1%減の592億円にとどまり、買収効果を除きますと同40.8%減の481億円へと急落しました。高水準な住宅ローン金利や経済の先行き不透明感を背景に購入層の様子見姿勢が継続し、販売インセンティブの増加や販売単価の下落、買収関連費用の計上などが利益を圧迫しました。

 米国事業が苦戦した一方、豪州住宅事業は力強い成長を持続しました。豪州住宅事業の売上高は前年同期比36.2%増の3,376億円、経常利益は同52.1%増の299億円と大幅な増収増益を達成し、経常利益率は前年同期の7.9%から8.9%へと上昇しました。西オーストラリア州を中心とする好調な住宅市況を背景に、販売価格の引き上げや施工棟数の拡大を進めたことが収益を押し上げました。海外住宅事業セグメント全体では、TPH社の連結効果と豪州の伸長により売上高が同33.4%増の1兆1,643億円へと拡大した一方、米国の減益が重石となり経常利益は同33.8%減の712億700万円にとどまるなど、主要国間での明暗が表れました。

 国内住宅事業と不動産事業でも収益構造に変化がみられました。国内住宅事業の売上高は前年同期比5.3%増の4,083億9,600万円、経常利益は同10.7%減の228億2,500万円となりました。戸建注文住宅は住宅ローン金利上昇などで受注棟数が前年同期比2.8%減の6,078棟となったものの、中高価格帯の提案強化で受注単価が同7.0%上昇の4,820万円となり、受注金額は同4.5%増の3,239億円を確保しました。一方、2026年12月期より新設された不動産事業セグメントでは、売上高が同14.1%増の2,028億9,300万円となったものの、一部LP投資案件での評価損計上や開発物件の売却時期後ろ倒しが響き、経常損失は143億8,400万円へと赤字が拡大しました。

 事業規模の拡大と利益減少に伴い、収益性および財務指標にも変化が生じました。連結売上高営業利益率は前年同期の7.6%から5.0%へと低下し、経常利益率も7.8%から3.9%へと3.9ポイント低下しました。また、TPH社の買収資金調達や同社の新規連結に伴い、販売用不動産や仕掛販売用不動産、のれんなどの資産が増加したほか、借入金や社債などの有利子負債が大幅に拡大しました。この結果、2026年9月30日時点の総資産は前期末比1兆104億円増の3兆5,824億円に膨らみ、自己資本比率は前期末の39.0%から29.2%へと9.8ポイント低下しました。

 足元の収益環境と下期見通しを反映し、同社は通期連結業績予想を修正しました。通期の売上高予想は従来予想の2兆9,500億円から2兆7,800億円(前期比22.6%増)へ1,700億円引き下げました。営業利益予想は従来の1,430億円から1,250億円(同25.9%減)へ180億円、経常利益予想も1,150億円から925億円(同47.1%減)へ225億円下方修正しました。米国住宅事業の販売戸数減少やインセンティブによる採算低下、米国不動産事業の売却物件減少が主因です。なお、年間配当予想は中間25円、期末25円の合計50円で据え置いています。親会社株主に帰属する当期純利益の通期予想は600億円に据え置いています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)