海外投資家、日本の証券3.5兆円買い越し 国内勢も海外債券を7週ぶり買い越し、株式・債券で双方向の投資拡大

2026年11月06日 09:26

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財務省の庁舎。11月6日に公表した週次証券売買統計では、10月最終週に海外投資家が日本の証券を3兆4,857億円買い越した。

今回のニュースのポイント

財務省が2026年11月6日発表した対外・対内証券売買契約統計によりますと、10月25~31日に海外投資家は日本の証券を3兆4,857億円買い越しました。日本株・投信の買い越しは2週連続、日本中長期債は5週連続の買い越しとなりました。一方、国内投資家も海外中長期債を7週ぶりに買い越しへ転じ、海外証券全体で2兆1,805億円を買い越しました。国内外の投資家が株式・債券の双方で活発に証券を取得する動きが確認されています。

本文
 財務省が2026年11月6日に公表した「対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)」によりますと、10月25~31日の海外投資家(非居住者)による日本の証券の買い越し額は3兆4,857億円となりました。前週の620億円から大幅に拡大し、株式・投資ファンド持分、中長期債、短期債のすべてで取得超となりました。一方、日本の国内投資家(居住者)による海外証券の買い越し額も2兆1,805億円となり、前週の4,429億円から拡大しました。国内投資家は海外の株式・投資ファンド持分と中長期債を買い越し、短期債を売り越しました。海外から日本へ、日本から海外への双方で証券取得が活発化する動きがみられましたが、両者の差額を「日本への純資金流入」と断定することはできません。

 国内投資家の動向で注目されるのが、海外中長期債が7週ぶりに買い越しへ転じた点です。国内投資家による海外中長期債の買い越し額は1兆3,120億円に達しました。前週は818億円の売り越し(処分超)でしたが、大幅な取得超へと転換しました。内訳をみますと、取得額が前週の8兆539億円から12兆4,214億円へ、処分額も8兆1,356億円から11兆1,094億円へとそれぞれ膨らみ、売買規模そのものが拡大しています。ただし、この週次統計からは投資先の国名や通貨、債券の銘柄、為替ヘッジの有無、売買理由は分かりません。米国債を買い越したと断定したり、米国の利下げ観測や海外金利の低下を見込んだ取引であると推測したりせず、資金フローの客観的事実として捉える必要があります。

 国内投資家による対外投資では、株式・投資ファンド持分の買い越しも拡大しました。同期間の海外株式・投資ファンド持分の買い越し額は1兆777億円となり、前週の2,899億円から拡大して3週連続の買い越しとなりました。取得額は3兆8,200億円、処分額は2兆7,422億円でした。一方、海外短期債は2,093億円の売り越しとなり、前週の2,347億円の買い越しから転換しました。国内勢の対外投資は、株式・投信と中長期債の取得超が全体の買い越しを主導し、短期債の売り越しが一部を相殺する構図となりました。なお、「株式・投資ファンド持分」には公募投信なども含まれるため、この数値をすべて米国株への投資とみなしたり、個人投資家のNISA買い付け額と同一視したりすることは適切ではありません。

 一方、海外投資家による日本の証券投資では、日本の中長期債に対する買い越しが一段と拡大しました。海外投資家による日本中長期債の買い越し額は1兆4,817億円を記録し、前週の462億円から急拡大して5週連続の買い越しとなりました。取得額は7兆4,698億円、処分額は5兆9,881億円でした。資料に掲載された直近5週間では、海外投資家による日本の中長期債はすべて買い越しとなっています。ただし、週ごとの金額には大きな変動があり、今回の買い越しをもって長期的な資金流入傾向が定着したと判断できるわけではありません。また、統計の中長期債には日本国債以外の債券も含まれるため、すべてを国債買いと表現することはできず、金利変動の原因を特定する材料にもなりません。

 海外投資家は日本の株式・投資ファンド持分と短期債も揃って買い越しました。日本の株式・投資ファンド持分の買い越し額は1兆1,293億円となり、前週の1兆1,822億円に続き2週連続の買い越しとなりました。直近2週間の買い越し額は単純合算で2兆3,115億円に達しますが、これは保有残高の増加額や東証の現物株売買額を示すものではありません。日本の短期債も8,747億円の買い越しとなり、前週の1兆1,665億円の売り越しから3週ぶりに買い越しへ転じました。この結果、対内投資は株式・中長期債・短期債の三分類すべてで取得超となりました。ただし、株式と債券が同時に買い越された背景について、日本市場への信認回復や円高予想、安全資産への逃避などと理由を断定することは避けるべきです。

 個人投資家がこの統計を読み解く際には、市場価格と資金フローの違いや対象期間の制約を意識することが重要です。今回の統計は10月25~31日の証券売買契約を対象としており、11月5日に発生した米国株急落やその後の東京市場の波乱を反映したものではありません。急落の原因を説明したり、急落後の投資行動を推測したりすることはできません。また、証券の取得超が確認されても、同額の為替取引が発生したことにはならず、為替ヘッジや資金調達手段によって影響は異なります。今回の統計が示すのは、10月最終週に国内外の投資家による証券投資全体が取得超となったという売買契約上の動きであり、今後の株価や為替の方向を直接予測するものではない点に留意が必要です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)