今年はAPS-Cセンサーのカメラがデジイチの主役

2013年03月26日 17:27

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キヤノンは、人気のエントリークラス一眼レフカメラKissシリーズのニューモデル「EOS Kiss X7i」「EOS Kiss X7」を4月下旬に発売すると発表した。

 個人でも、写真や動画を撮影して、ブログやSNS、you tubeなどの動画サイトを通じて発信することが当たり前の時代となった。スマートフォンやタブレットなども含めると、多くの人々がいつでもどこでも写真を撮影できる状態にあり、膨大な数の日常が日々記録され続けている。撮影することが楽しくなると、スマホやデジカメの画質に満足できなくなり、より美しい表現力を求めて、デジタル一眼レフカメラの世界へと足を踏み入れるユーザーがここ最近増えてきているようだ。

 そんな中、キヤノン<7751>が先日、人気のエントリー一眼レフカメラKissシリーズのニューモデル「EOS Kiss X7i」「EOS Kiss X7」を4月下旬に発売すると発表した。「EOS Kiss X7」は、 ボディサイズは約116.8×90.7×69.4mmで、本体のみの重量は約370gとAPS-Cセンサー採用するデジタル一眼レフカメラの中では最小最軽量のコンパクトさを実現。小型化を追求しつつ、ホールド感や操作性についても配慮されたキヤノンらしいデザインになっている。Kissシリーズのメインターゲットとなる一眼レフカメラエントリー層のうち、大きさ・重さを重視する女性や中高年層などのニーズに配慮したスペックになっている。

 また、X7の上位機種にあたる「EOS Kiss X7i」は、「X6i」同様に3型約104万ドットのバリアングル液晶を搭載。撮像素子は、APS-Cサイズ相当の有効約1,800万画素CMOSセンサーと、映像エンジンにはDIGIC 5を採用ということで、こちらもX6iの機能を継承している。X6iから変更になった点は、モードダイヤルの文字およびアイコンが印刷から金属加工処理となったほか、モードダイヤル側面にピラミッド型のパターン処理が施されるなど、細かな箇所のみ。連写性能もX7の約4コマ/秒に対し、約5コマ/秒を維持しているものの、X7は撮像面AF範囲の面積を広げた「ハイブリッドCMOS AF II」を新たに採用するのに対し、X7iはX6iの「ハイブリッドCMOS AF」のままだ。全体的にブラッシュアップしているものの、新しいセンサー搭載や大きなスペック強化がなく、ややインパクトに欠ける新モデル登場といった印象が強く残ってしまった。

 一方、ライバルのニコン<7731>は、先日発売されたニコンDXフォーマットの最上級機となる「D7100」に続き、光学ローパスフィルターレスかつDXフォーマットCMOSセンサー搭載のレンズ固定式コンパクトデジタルカメラ「COOLPIX A」を発売し、ファンに再び大きなインパクトを与えた。焦点距離18.5mm開放F値2.8のニコン新開発広角単焦点NIKKORレンズと、ニコンの人気コンパクトカメラ「COOLPIX」シリーズにおいては初のAPS-CサイズCMOSイメージセンサーを搭載し、デジタル一眼レフカメラの高い描写力とコンパクトデジタルカメラの手軽さを両立している。

 コンパクトデジカメの出荷数の落ち込みに反比例して、デジタル一眼レフ市場は堅調な成長を描き続けている。各メーカーにとっても、デジタル一眼レフは、コンパクトカメラに比べて比較的に利益率も高い為、スマホやデジカメからステップアップしてくる初心者ユーザーを獲得する目的で、簡単に使えるエントリークラスのラインナップ充実を図っている。中でもAPS-Cセンサーのカメラは、焦点距離が35mmフルサイズのカメラに比べて1.5~1.6倍になることから、スポーツや風景、野鳥撮りなど、望遠域を使うシーンにおいて有利なため、ハイアマチュアユーザーにも人気のあるカテゴリーだ。

 昨年は35mmフルサイズや小型ミラーレスの新製品ラッシュとなった一年だったが、今年はAPS-Cセンサーを搭載したキヤノンのヒット作「EOS7D」「EOS60D」の後継機が大幅にスペックを強化して登場するのではという噂もあるなど、APS-Cデジカメが主役の一年になりそうだ。(編集担当:北尾準)