今週の振り返り 素直にはいかない株主権利確定イベント通過

2013年03月30日 19:14

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権利付き最終日、配当落ち日、日銀砲にドレッシング買い年度末スペシャルと退屈しなかった週

 27日のNYダウは33ドル安。28日朝方の為替レートはドル円が94円台前半、ユーロ円が120円台半ばで円高進行。ユーロ圏の経済指標の悪化、28日正午(現地時間)のキプロスの銀行の営業再開での混乱懸念、イタリア国債の格下げやECBの利下げの噂などが重なりユーロ売りが止まらない。それでも日経平均は36.33円安の12457.13円と小安く始まったが、午前9時30分頃からズルズル下落が始まり12400円を割り、前引けでは12300円をも割り込んだ。イタリアで連立協議が難航して再選挙実施観測が浮上したこと、キプロス問題に振り回された前週の株式市場で海外投資家が19週ぶりに売り越しと発表されたこと、日本は株主権利確定イベントを通過して年度末最終取引日の前日という狭間、欧米は3連休前と日柄も悪いこと、まるで開戦前夜のような北朝鮮の過激発言により地政学的リスクも意識されたことなどが下げ要因として挙げられた。

 後場に一時、下落幅が200円を超える場面もあったが、その後は持ち直して12300円台を回復。TOPIXの前場終値が前日比1%を超える下落になり、日銀が後場にTOPIX連動型ETFを買い入れる「1%ルール」を発動して287億円を投入したおかげで後場の日経平均は底堅く推移した。株高が続いたため忘れている人もいそうだが、この通称「日銀砲」は1月16日、2月15日、3月18日にも発射されている。日銀の〃援護射撃〃のおかげで日経平均終値は157.83円安にとどまり12335.96円、TOPIXは-9.69の1036.78だった。売買高29億株、売買代金2兆1803億円と商いは持ち直した。

 プラスは電気・ガス、小売、保険の3業種のみ。マイナス幅が小さいのは食料品、情報・通信、ゴムなどだった。マイナス幅が大きいのは海運、石油・石炭、鉱業、卸売、非鉄金属などだった。

 28日のNYダウは52ドル高で史上最高値更新。S&P500も史上最高値を更新。キプロスの銀行が営業を再開しても混乱が起きず安心感がひろがったが、アメリカの経済指標には少し陰りが出ている。29日は復活祭(イースター)前の聖金曜日(グッド・フライデー)で休場なので、これで3月の取引は終了。29日朝方の為替レートはドル円が94円前半、ユーロ円が120円台後半で、前日とあまり変わらない水準だった。取引開始前に国内の経済指標が相次いで発表され、2月の鉱工業生産指数速報値は-0.1%で3ヵ月ぶりの低下。2月の全国消費者物価指数(CPI)は-0.3%で前月より0.1ポイント低下しデフレはまだまだ終わらない。2月の完全失業率は4.3%で0.1ポイント悪化、有効求人倍率は0.85倍で変化なしと改善は足踏み。総務省の2月の家計調査の2人以上世帯の消費支出は+0.8%で1.6ポイント低下したが、1月の+2.4%がサプライズだったので元に戻ったとも言える。

 日経平均は69.57円高の12405.53円と12400円台を回復して始まったが、すぐ12300円台に戻りTOPIXだけ先にマイナスに。日経平均も後を追ってマイナス圏に落ち込んだ。その後は日経平均は前日終値をはさんでプラスとマイナスを行ったり来たりしてもTOPIXはずっとマイナスで、後場に大口買いが入って日経平均が上昇しても「NTねじれ現象」のまま最後までもつれ込んだ。日経平均終値は61.95円高の12397.91円、TOPIX終値は-2.07の1034.71で今週、今月の取引を終えている。日経平均の前週末比は2週ぶりにプラスに戻り、前月末比は8ヵ月連続で上昇で、年度では23%の上昇率になった。欧米が復活祭休暇入りし、日銀の金融政策決定会合を来週に控えていることもあって、売買高は25億株、売買代金は2兆円割れと商いはやや薄かった。

 値下がり銘柄1179が値上がり銘柄443の2.6倍もあり、TOPIXがマイナスに沈みながら日経平均が61円高だったのは、「期末のポジション整理」と言えば聞こえはいいが、後場に波状的に入った月末恒例ドレッシング買いの〃年度末スペシャル〃大口の先物買いのおかげ。720円高のファーストリテイリング<9983>1銘柄だけで日経平均を28円も押し上げ、上昇幅の45%を占めたように、「寄与度御三家」など〃お化粧のり〃のいい銘柄ばかり狙って買われ、日経平均にコテコテの〃厚化粧〃が施された。しかし、甘利明経済再生担当大臣が述べた「3月末に日経平均13000円」を実現させる「甘利越え」は、あまりにも遠すぎた。

 東証1部業種別騰落率の上位セクターは電気・ガス業、非鉄金属、ゴム製品、食料品、情報・通信業など内需系が多かった。下位セクターは水産・農林業、不動産業、パルプ・紙、証券・商品先物取引、銀行業と、3月は盛んに買われていた金融緩和関連、TPP関連が多く入っていた。