世界のたばこ需要伸長に伴い、三菱レイヨンとダイセルが合併会社設立

2013年05月02日 20:13

 国内のたばこ需要が縮小の一途を辿っているのに対し、世界のたばこ需要は、アジア、アフリカ、東欧などの新興国を中心に微増ではあるが、伸張しているようだ。そのような中、三菱レイヨンとダイセル<4202>は、たばこフィルター用のアセテート・トウを製造する合弁会社の設立に関する確定契約を2012年8月に締結。各国の独占禁止法当局による企業結合審査が終了し、三菱レイヨン社が2012年10月に分社設立した富山フィルタートウ(アセテート・トウ製造会社)を、2013年5月1日付けで両社の合弁会社としている。

 三菱レイヨン社は、アセテート・トウについてのダイセル社との協力関係を深めることで事業の安定化を図る一方、地球環境に優しくファッション性の高いアセテート・フィラメントでも市場の拡大と深耕により収益向上を図り、アセテート繊維事業の強化を実施する。一方、ダイセル社にとって、たばこフィルター用アセテート・トウ事業はコア事業のひとつであり、世界のアセテート・トウ需要の拡大を背景に、中期計画「3D-I」においても同事業の強化に取り組んでおり、今回の合弁化はその一環だという。また、ダイセル社では、既存の事業場におけるアセテート・トウ製造設備の増強も2013年7月商業運転開始を目標に進めており、さらには中国における合弁会社の同製品の増強も実施していくという。今後も世界各国で拡大するたばこ市場へ対応すべく、今回の合弁会社を設立により、国際的に競争力の高い生産体制を構築することを目指す。(編集担当:宮園奈美)