【今週の振り返り】円高、中国、決算で459円も下落した週

2013年07月27日 20:11

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選挙でアベノミクスが信任されても外の為替の円高、中国の景気減速、内の企業決算が足を引っ張り続けた

 24日のNYダウは25ドル安で3日ぶり反落。「バーナンキFRB議長の後任にラリー・サマーズ氏有力」という報道を警戒された。アップル決算が好評価でも新築住宅販売件数が8.3%増で5年ぶりの高水準でもプラスに浮上できなかった。25日朝方の為替レートは、ドル円が100円台前半、ユーロ円が132円台前半と、円安が進行していた。

 日経平均は15.93円高の14747.21円で始まるが、すぐにマイナス圏に落ちて14700円を割り込む。午前10時すぎから後場にかけては14600円台で推移するが、午後1時30分すぎには一段安になり14500円台に下がる。前日発表したキヤノン<7751>、後場の途中で発表した信越化学<4063>など主要企業の決算の内容がよくないことと、波状的に襲った円高でドル円は2時台には一時100円を割り込み、先物主導で輸出関連中心に株価を押し下げた。終値は168.35円安の14562.93円と続落し約2週間ぶりの安値水準。TOPIXは-17.60の1202.32。売買高は22億株、売買代金は2兆673億円と低水準が続いている。

 全面安で、値上がり業種は空運と石油・石炭の2業種だけ。値下がり幅が小さい業種はガラス・土石、食料品、鉱業、ゴム製品など。値下がり幅が大きい業種は保険・電気・ガス、その他金融、その他製品、情報・通信、不動産などだった。

 25日のNYダウは13ドル高。決算はフェイスブックは良くても住宅関連銘柄はさえず、GMは決算内容は良くても経営者コメントが弱気で売られるなど企業決算は強弱入り交じったが、長期金利低下は好感された。来週のFOMCで「量的緩和政策は据え置き」という報道で縮小開始の先延ばし観測が浮上しドルが売られた。26日朝方の為替レートはドル円が99円台前半、ユーロ円が131円台後半で前日よりも円高に振れていた。

 外資系証券の注文動向は22日ぶりの売り越しで、前日の「キヤノン・信越化学ショック」は海外の投資家にも影響大の模様。日経平均は223.54円安の14339.39円と大幅安で始まり、すぐ14200円台に。前場は14300円台にたびたびタッチするが、昼休みにドル円が99円を割ったため後場は最安値で始まり、14200円をたびたび割り込み、午後2時台には14100円台に定着した。主力銘柄のよくない決算、為替の円高、利益確定売りの金曜日、来週の主力銘柄の決算待ちの様子見が重なると14114円まで安くなる。終値は432.95円安の14129.98円と大幅安で3日続落。2勝3敗、前週末から459円も下げて今週の取引を終えた。マイナスの週は6週間ぶり。TOPIXは-35.26の1167.06と1200割れ。売買高は27億株、売買代金は2兆3712億円と商いは多少増えていた。

 業種別騰落率は全業種マイナスで、マイナス幅が小さいのは石油・石炭、サービス、電気・ガス、化学、農林・水産、その他製品など内需系が主体。大きいのは鉄鋼、保険、銀行、パルプ・紙、不動産、証券など金融系が多かった。(編集担当:寺尾淳)