プジョーが日本向け208のパワーユニットを新開発3気筒エンジンに換装、トランスミッションを刷新したニュースは既報のとおり。
今回はプジョー308のニュースである。新型プジョー308は昨年9月のフランクフルトモーターショーでハッチバック(HB)モデルがワールドプレミアされ、秋から順次欧州で発売。しかしながら、日本では、未だ旧型308を継続販売している状況だ。
なのに、新型308に追加車型モデルが発表された。新型プジョー308SWである。新型308HB発売から数週間でプジョーは「308シリーズのレンジを広げた新たなボディスタイルを発表する」としてSWを追加すると発表。加えて、“ステーションワゴン”の308SWは、あらゆる側面を見直して先代モデルから引き継いだのは“その名前だけ”だと言い切っている。確かにSWは、“完全なるステーションワゴン”になった。この308SWのワールドプレミアは3月のジュネーブショーとなる予定だ。
それにしても、プジョーの商品戦略は日本のマーケットと日本法人であるプジョー・シトロエン・ジャポンの意向をまったく考慮していないように思える。新型308のハッチバックモデルですら「日本上陸は2014年秋ごろ」としかアナウンスされていない。果たして「日本仕様の308に搭載されるエンジンは、トランスミッションは?」というファンの声には応えていない。「欧州でこんな“308”が発売されました」というニュースだけが我々に伝えられるだけなのだ。なのに、今回は新型308にステーションワゴン(SW)の追加発表のニュースだ。要するに、「世界のマーケットで“マイナーなライトハンダー”の開発にまで手が回らない」ということだろう。
これでは、現状で旧型308を一所懸命に売っている、日本のプジョー車販売ディーラーの首を絞めているだけとしか思えない。
それはさておき、新型プジョー308SWの概要を少ない情報のなかから探ってみる。308SWは初代の3列シートのマルチパーパスモデルを捨てた模様。完全な5名乗車仕様のステーションワゴンだ。ライバルはズバリ、Cセグメントの猛者である「フォルクスワーゲン・ゴルフ・ヴァリアント」だろう。先の208に搭載した3気筒ガソリンエンジンや新開発ディーゼル、並びにディーゼル・ハイブリッドなどがメインユニット。トランスミッションもトルコン式オートマティックから、デュアルクラッチ型2ペダルがようやく主流となりそうだ。
いずれにしても、新型308シリーズは「日本発売、2014年秋以降」とのアナウンスしか届いていない。(編集担当:吉田恒)