【今週の展望】日本全国大消費カーニバルに株価も踊れるか

2014年03月02日 20:12

 5~6日はイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会が開かれ、6日に政策金利が発表される。5日から15日まで、中国・北京の人民大会堂で「全国人民代表大会(全人代)」が開かれる。「一人っ子政策」のために急速に進む少子高齢化を前に、福祉・医療分野でどんな改革が打ち出されるか注目。6日は欧州中央銀行(ECB)理事会が開かれ、終了後に政策金利が発表されて、ドラギ総裁が記者会見を行う。その時にはウクライナの問題はどうなっているだろうか。

 アメリカ主要企業の決算は、6日にコストコホールセールが発表する予定。

 3月1~4日は名高い「リオのカーニバル」。3日、4日はブラジル全土が休日になり、4日間ぶっ通しで飲め、歌え、踊れのドンチャン騒ぎになる。ベネチアをはじめヨーロッパ全土で行われる「謝肉祭」も、アメリカ・ニューオーリンズの「マルディグラ」も、起源は同じ。それはキリスト教(ローマ・カトリック)の「四旬節」の前夜祭である。四旬節とは日本流に言えば「物忌み」の期間で、昔のキリスト教徒は復活祭(イースター)の日からさかのぼって46日間、欲望を絶ち、精進潔斎して節制に努めなければならないことになっていた。庶民にとっては、夜が明けて四旬節の初日(「灰の水曜日」)になったらこの先、46日間もやりたいことを我慢しなければならないから、せめて今夜はその分まで思い切り楽しんでおこうという「駆け込み酒池肉林」が、カーニバルの起源である。

 それは、何かに似ていないか。そう、日本で4月1日に実施される消費税の5%から8%への税率アップに伴って予想される、3月31日までの駆け込み需要の盛り上がりと、4月1日以降の反動減である。4月1日になったら日本国民は嫌でも消費を我慢して節約せねばと意識するようになる。しかも、46日間で終わる四旬節と違って消費税はもう5%には戻らず、1年半後にはもっときつい我慢を強いられる税率10%へのアップが実施される予定になっている。だから3月31日までは期間限定「日本全国駆け込み大消費カーニバル」絶賛開催中で、庶民は今のうちにお買い物、お買い物。今週はすでにその3月に突入している。

 しかし東京株式市場は踊る気配もない。2月26~28日は、NYダウは3日続伸したが日経平均は3日続落で「日米連動」など遠い昔のお話のよう。28日は取引時間前に発表された国内経済指標にネガティブな数字は一つもなかったのに、日経平均は先物主導の乱高下の果てに下落した。それは4月以降に日本では消費の氷河期、いや氷河期よりひどい「全球凍結期」がやって来て、企業業績は落ち込んでGDPはマイナス成長になると、今頃から織り込んでしまっているかのようだ。