自動車は期末配当予想1円のマツダ<7261>は12円高だが20円のホンダ<7267>は8円安と明暗が分かれた。トヨタ<7203>は6000万株、3600億円の自社株買い枠設定という大きなニュースがあり配当落ち分を即日埋めて110円高で4日続伸。単純計算では自社株買いの買付価格は6000円なので、今後の株価はそれがメドになりそう。電機は富士通<6702>が買われ21円高、期末無配のシャープ<6753>は11円高、ソニー<6758>は10円高、4円配当のNEC<6701>は5円高だったが、パナソニック<6752>は7円安、日立<6501>は9円安、東芝<6502>は値動きなし。東京エレクトロン<8035>は、東京エレクトロンデバイス<2760>株を最大234万株、売出しで放出すると発表し29円安。東京エレクトロンデバイスのほうは248円安と大きく下落し、昨年来安値を更新し値下がり率1位になった。
オリンパス<7733>は55円高だったが今期末は無配で配当落ち分がない。TOTO<5332>は期末10円の配当落ちを全部埋めて81円高、値上がり率12位と大健闘。169円高で昨年来高値を更新したHOYA<7741>も同様だった。三井物産<8031>は3263万株の自社株消却を発表したが10円安。三菱商事<8058>は27円安、伊藤忠商事<8001>は46円安と高配当の総合商社は配当落ち分を埋めきれない。高配当利回りの代表格の医薬品大手も同様で、武田薬品は52円安、エーザイ<4523>は22円安で終えていた。
値上がり率1位は宇宙ゴミ掃除大作戦の日東製網<3524>で21円高。JAL<9201>は前日に中期経営計画「ローリングプラン2014」と来期の業績見通し、国内線の6年ぶりの平均1.5%値上げ(消費増税分含まず)を発表した。2015年3月期の売上高見込みは4.6%増の1兆3500億円だが、営業利益見込みは11.4%減の1400億円という増収減益の見通しでも株価は85円高だった。ANAHD<9202>は後場、1.7兆円でボーイング、エアバスから70機を購入すると報じられたが3円安で3日続落した。
大阪ガス<9532>と西部ガス<9536>が2016年の電力自由化をにらみ火力発電で提携するが、大阪ガスは値動きなし、西部ガスは2円安。関西電力<9503>は八木誠社長が「夏までの原発の再稼働は難しい」と述べ、真夏の電力需給ひっ迫を原発抜きで乗り切る姿勢を示して49円高だった。
新興市場は前場、アメリカのNASDAQ市場の軟調の影響も受けて大きく下落し、前日マザーズに上場した期待の大型ルーキー、サイバーダイン<7779>でさえストップ安でカラ売り規制がかかり1500円安で終えるという有様だったが、東証マザーズ指数は後場持ち直してプラスで終えていた。
この日の主役はセブン&アイHD<3382>。セブンイレブンがJR西日本<9021>と提携し、この夏から順次、キヨスク約500店舗をセブンイレブンに衣替えさせて「駅ナカビジネス」に参入すると報じられ売買高16位で189円高とマーケットから高く評価された。駅ナカのセブンイレブンにATMを設置すれば他行の利用者から手数料収入が得られるセブン銀行<8410>も連れ高して22円高。この日、ライバルのローソン<2651>も210円高、ファミリーマート<8028>も40円高と株価を上げていたが、もしJR東日本<9020>の駅ナカコンビニ「ニューデイズ」まで看板が大手のそれに掛け替えられたりしたら、コンビニ業界の大手3社への集約はますます加速することになる。(編集担当:寺尾淳)