最近では東南アジア地域に日本企業が進出することは珍しくなくなったが、今回、日本の自動車メーカーである日野自動車<7205>が、住友商事<8053>、自動車ビジネス大手のインドモービルグループの3社と手を組んで、ファイナンス会社を立ち上げたとの発表を行った。立ち上げた新しい会社は2015年の春より営業を開始する予定。3社が立ち上げた新会社では、トラックやバス向けの金融事業を行い、そうして販売のみならず自社にて金融事業を行うことで、インドネシアでの競争力を高めたい考えだ。
現在インドネシアにおいてトラック市場は拡大傾向が続いており、日野自動車もその販売台数を堅調に伸ばしている。そしてインドネシアは日野自動車にとって日本に続く世界第2位の主要市場となっており、今回の新会社立ち上げにより、さらなる事業拡大を目指したい考えだ。
新会社の名称は「日野ファイナンスインドネシア」で、資本金は3000億インドネシアルピア(約28億円)。日野自動車が40%出資し、残り60%を住友商事が20%、インドモービルグループが40%とそれぞれ出資した。15年の春より営業を開始する予定。
この「日野ファイナンスインドネシア」では日野自動車製のトラックやバスを購入する企業に対して、融資やローンなどの金融サービスを行う。インドネシアの販売代理店やディーラーと連動し、トラックやバスを購入する企業をサポートする。さらに住友商事が持つ四輪や二輪車向け金融事業運営のノウハウも活用していくという。
そして今回の新会社設立に対して日野自動車は、「新会社は、日野製トラック・バス向けの金融サービス提供を中心としたキャプティブファイナンス会社として販売金融事業を行い、顧客との関係強化を目指します。インドネシア現地の販売代理店やディーラーと一体となり、最適な車両の提案だけでなく車両の購入方法を紹介することで提案力を強化し、ワンストップで提供することによる利便性の高いサービスを目指します」とのコメントを発表している。(編集担当:滝川幸平)