為替のドル円は124円台半ばまで円安が進み、後場は上げ幅を拡大して20194円で再開する。すぐに20200円台に乗せ高値を取りながら上昇。午後0時51分に20264円まで上がった。ところが1時を少し回ったところで突然の急落開始。衆議院財務金融委員会で黒田日銀総裁が、実質実効為替レートが「かなりの円安になっていることは事実」「ここからさらに円安に振れることはありそうにない」と発言すると、ドル円レートは124円台半ばから123円近辺まで一気に円高進行。日経平均は1時台のうちに250円近く下落し、1時54分に20016円と2万円割れ寸前までいった。この「黒田発言ショック」から2時台はプラスまで回復するもののドル円が122円台になってはそれも続かず、終盤は再びマイナスになる。結局49円安で4日続落した。MSCIが「外国人投資枠、市場流動性の拡大が必要」と注文をつけてエマージング指数への中国株の組み入れを見送った上海市場は小幅反落で終えていた。
日経平均終値は49.94円安の20046.36円、TOPIX終値は-6.14の1628.23。売買高は25億株、売買代金は2兆9411億円。値上がり銘柄数は640、値下がり銘柄数は1066。鉱業、非鉄金属、電気・ガス、サービス、水産・農林、情報・通信、ゴム製品、医薬品の8業種が上昇し、海運、陸運、空運、倉庫、繊維、化学工業、証券など25業種が下落した。
11日の日経平均は5日ぶりの大幅反発。NYダウは236ドル高で5日ぶりに大幅反発し終値で18000ドル台を回復した。S&P500もNASDAQも大幅上昇。ドイツの長期金利が一時1%を超えたが、EUに反発していたギリシャの態度が軟化し、財政収支は赤字が前年同月比で36%縮小し労働市場情勢指数も改善するなど好材料が揃った。為替のドル円は甘利経済再生担当大臣が「黒田日銀総裁の発言は曲解されている」と火消しに動いて123円台を回復したのもつかの間、朝方は122円台後半に戻っていた。CME先物清算値は20150円と回復した。
メジャーSQ前日の日経平均は137円高の20183円で始まり、25日移動平均線を再び上回る。TOPIXも2ケタのプラス。序盤は20200円台で安定して推移し、ドル円が123円台を回復して午前10時台すぎには20300円に乗せる。安倍内閣は前日、「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)に関して「経済再生なくして財政再建なし」という「上げ潮派」のポリシーを重ねて強調し、長期金利が上昇しても株高を目指す方針に変わりなし。10時台は20300円前後で小動きし、10時58分に20352円の高値を取った後は高値圏を維持して前引けは288円高の20335円だった。
後場はやや安く再開するがおおむね20300円台維持。メジャーSQ週の裁定解消売りもSQ前日ともなればすでに一段落し、9月限へのロールオーバーも進んだ模様。値動きも小さくなり20300円にピタリと沿う。2時台になるとやや上離れして20300円台半ばまで上昇する時間帯も現れる。為替も徐々に円安に進む。終盤はどんどん上値を追い、336円の大幅高で20382円の高値引け。TOPIXも1650に迫って終えていた。
日経平均終値は336.61円高の20382.97円、TOPIX終値は+20.65の1648.88。売買高は21億株、売買代金は2兆5718億円。値上がり銘柄数は1490、値下がり銘柄数は288。30業種が上昇し、その上位は陸運、小売、食料品、非鉄金属、パルプ・紙、サービス、卸売、建設など。鉱業、石油・石炭、繊維の3業種が下落した。
12日の日経平均は小幅続伸。NYダウは38ドル高と小幅続伸。注目の小売売上高はガソリン価格上昇がきいて前月比+1.2%と市場予測を上回り、3ヵ月連続プラス。3月、4月の数値も上方修正され、寒すぎた冬の影響を完全に脱し9月利上げの観測が強まった。欧米の金利も低下しマーケットに安心感がひろがる。それでもギリシャとIMFの支援協議が中断したため上値は抑えられた。為替のドル円は123円台半ば。CME先物清算値は20435円だった。