【今週の振返り】ギリシャも上海も区切りがつき871円上昇の週

2015年07月18日 20:47

0205_025

「悪い夢を見たことを、早く忘れたい」そんな情念をぶつけるように東京市場は上昇、上昇、また上昇の5日続伸。カタルシスで投資家の心は浄化されたか?

 日経平均終値は136.79円高の20600.12円、TOPIX終値は+14.42の1660.83。売買高は21億株、売買代金は2兆4586億円。値上がり銘柄数は1237、値下がり銘柄数は519。29のセクターが上昇し、上位はその他製品、電気・ガス、情報・通信、小売、サービス、陸運、保険など。下落は鉱業、鉄鋼、金属製品、海運の4セクターだった。

 17日の日経平均は5日続伸。NYダウはジリ高で終値70ドル高。NASDAQは史上最高値を更新した。フランクフルトでECB理事会が開かれ、ドラギ総裁が記者会見してギリシャの銀行への緊急融資枠拡大を発表。EUも70億ユーロのつなぎ融資実施を決め、当面の資金繰りがしのげる。ギリシャの銀行は20日から営業窓口を再開する。新規失業保険申請件数は大幅改善。フィラデルフィア連銀景気指数は前月比-9.5ポイントと市場予測を下回ったが、NAHB住宅市場指数は高水準横ばいの60で市場予測と一致した。企業決算はイーベイ、シティバンクが良くゴールドマンサックスが悪いなどまちまち。朝方のドル円は124円台前半、ユーロが買われてユーロ円は135円近辺。CME先物清算値は20685円だった。

 日経平均は46円高の20646円で始まり、今週全勝、週間騰落1000円高突破の期待が高まるものの、序盤から乱高下。午前9時7分に20655円をつけたが、9時22分には20611円まで下落。TOPIXはプラスからマイナスに変わる。上海市場は小幅高で始まり乱高下しながらもプラスで、これに安心したのか日経平均は10時34分に20658円まで上昇した。その後も20650円前後のプラス圏で推移し、TOPIXもプラスに。落ち着きを取り戻したように見えたが11時台になるとドル円の円高揺り戻しでズルズル下落し、前引けは30円高の20631円。TOPIXはマイナス圏に戻っていた。「利益確定売りの金曜日」は3連休前は特にきつくなるが、ましてや今週は4日間で821円も上昇している。

 後場はほぼ前引け水準で再開し、日経平均は20640円を軸に上下ほぼ30円の値幅で小動きする。TOPIXはプラスに定着できない。午後2時ちょうどに20620円付近まで下落するが一時的で、すぐに20640円付近までV字回復。上海市場はプラスで推移しているが反応薄。終盤は振幅がやや大きくなるものの20640円付近の軸は変わらず、大引けは50円高の20650円で5日続伸。週間全勝になったが週間騰落プラス1000円(20779円)にはあと129円足りなかった。日中値幅が47.73円で今年最小を記録。TOPIXとJPX日経400は10日から6営業日続伸した。

 前日、初値がつかなかった新規IPO銘柄アイリッジ<3917>はこの日も初値がつかずに21日に持ち越された。買い気配値は公開価格1200円の5.3倍の6350円まで上昇。

 日経平均終値は50.80円高の20650.92円、TOPIX終値は+2.11の1662.94。売買高は18億株で20億株割れの薄商い。売買代金は2兆449億円で、かろうじて連続2兆円台記録を70営業日に伸ばした。値上がり銘柄数794よりも値下がり銘柄数953のほうが多い。19業種がプラスで上位は保険、その他製品、銀行、海運、水産・農林、食料品、空運など。14業種がマイナスで下位は鉱業、パルプ・紙、非鉄金属、輸送用機器、倉庫、石油・石炭、建設などだった。

 今週の星取は5戦全勝。前週末10日終値19779.83円から871.09円上昇して今週の取引を終えた。週間騰落プラス幅は今年最大で、「ギリシャと上海」で下げた前週、前々週の合計926.32円の下落を94%取り戻した。(編集担当:寺尾淳)