郵政3社が東証1部に新規上場。日本郵政<6178>は公開価格1400円に対し9時33分、16.5%高い1631円の初値がついた。終値は1760円。かんぽ生命保険<7181>は公開価格2200円に対し10時6分、33.1%高い2929円の初値がついた。終値は3430円でストップ高比例配分。ゆうちょ銀行<7182>は公開価格1450円に対し9時33分、15.8%高い1680円の初値がついた。終値は1671円で、ゆうちょ銀行だけ終値が初値を下回った。
公開価格で計算したPBR(株価純資産倍率)が3社とも1倍を大きく割り込んでいたので、初値が公開価格を上回る裏付けはあった。特に年間配当予想56円のかんぽ生命は、長期安定、高配当利回りの資産株を求める個人投資家から「福島第一原発の事故の前の、ありし日の東京電力<9501>」視され人気が出た模様。そのかんぽ生命は、取引開始前に偽装注文「見せ玉」が大暴れして「まぼろしの気配値」8800円が出現する騒ぎまで起きていたが、郵政3社の株式市場デビューは全てめでたい白星発進。前週、証券大手の幹部が口を揃えて言っていたように、個人投資家の裾野の広がりに貢献しただろうか?
日経平均終値は243.67円高の18926.91円、TOPIX終値は+13.46の1540.43。売買高は26億株、売買代金は3兆3892億円と盛り上がった。値上がり銘柄数は1121、値下がり銘柄数は673。プラスは25業種で上位のセクターは鉱業、保険、石油・石炭、鉄鋼、ガラス・土石、非鉄金属など。マイナスは8業種で下位のセクターは建設、不動産、パルプ・紙、電気・ガス、繊維、倉庫などだった。
5日の日経平均は大幅続伸。NYダウは50ドル安で3日ぶり反落。NASDAQ、S&P500も下げた。イエレンFRB議長が連邦議会下院金融サービス委員会で証言し「12月の利上げはありうる」と発言して株価を抑えた。週末の雇用統計の〃前座〃10月のADP雇用統計の非農業部門雇用者数は前月比+18.2万人で、市場予測の+18.0万人は上回ったが9月実績の+20.0万人は下回った。10月のISM非製造業景況感指数は+2.2の59.1と良好で、雇用も好調。9月の貿易統計は貿易赤字が前月比15%圧縮。対EUを中心に2ヵ月ぶりの赤字減少。原油先物は反落し、金先物は5日続落した。為替のドル円はイエレン議長の議会証言を受けてドルが買われ121円台後半、ユーロ円は132円近辺。CME先物清算値は19050円だった。
「日経平均寄与度御三家」のファーストリテイリング<9983>が前日発表した10月の国内ユニクロ既存店売上高は、前年同月比5.5%増で3カ月連続のプラスだった。同じく御三家のソフトバンクG<9984>の4~9月期決算は営業増益だが最終減益。日経平均は19000円台に乗せて102円高の19029円で始まる。TOPIXはプラスでも1550に届かない。ほぼ「寄り安」で序盤はすぐに19100円を超え、TOPIXは1550を超える。しかし午前9時9分の19114円をピークに下押しされ19040円付近まで下落。4日に新規上場した郵政3社が売買代金の上位に揃い、かんぽ生命は値上がり率ランキング3位以内の人気。商いも多く、お祭りはまだ終わらない。10時台になるとTOPIXは1550を割り込み、日経平均は10時17分に19000円の大台を一時割り込んで18995円まで下げるなど、前日比プラスでも上値が重い。もっとも、前日は大幅上昇で反落が予想された上海市場がアッと言う間に小幅プラスに転じると、日経平均は10時台後半には19050円をオーバーしTOPIXは1550台を回復した。上海は上昇幅が1%を超え2%も一時突破。11時台の日経平均もお付き合いよく19100円を超え、11時28分に19145円の高値をつける。前引けは195円高の19122円だった。
大幅続伸の上海市場は2.5%を超える大幅高で午前の取引を終了。昼休み中も日経平均先物は高値を取り、現物も19150円を超える高値を取って後場の取引を再開し午後0時32分には19167円の高値をつける。しかしそこから伸びず、0時台から1時台前半にかけて19100円付近まで下落していく。1時台後半は少し反発するが、高々19150円付近どまりで高値更新はできない。2時に再開した上海市場は上昇が続いてプラス幅が3%を超える。しかし日経平均は連動せず19100円台前半でくすぶる。気まぐれで午前と午後で態度が変わり、相手の落ち込みには付き合っても、ゴキゲンには付き合わない奇妙なカップル。上海は+2.5%オーバーのハイテンションが続くが、終盤の日経平均は19100円を割りかけるアンニュイぶり。終値は189円高の19116円だった。8月28日以来の終値19100円台。一目均衡表の雲の上限18924円を超えて8月19日以来、久しぶりに雲の上に出たが、連日の3兆円超えの大商いでも、イエレンFRB議長からの「贈り物」で為替の円安が味方しても、10月30日の高値19202円は超えられなかった。TOPIXは1550台を確保。上海総合指数は終盤クールダウンしたものの+1.82%の連日の大幅高だった。
日経平均終値は189.50円高の19116.41円、TOPIX終値は+14.67の1555.10。売買高は24億株、売買代金は3兆411億円。値上がり銘柄数は1232、値下がり銘柄数は573。31業種がプラスで、上位は食料品、海運、非鉄金属、金属製品、倉庫、証券など。マイナスは石油・石炭と、後場ザラ場中に大手総合商社が通期業績見通し下方修正の決算を発表してボロボロ下げた卸売の2業種だった。政府観光局のように発表時間を大引け後に変更しないのは潔い態度、か?
6日の日経平均は3日続伸。NYダウは雇用統計発表直前の様子見ムードで4.15ドル安。NASDAQもS&P500も小幅安だった。イングランド銀行(BOE)の金融政策委員会は政策金利0.5%の据え置きを決定したがロンドン株式市場は下落。EUは2015年のユーロ圏成長率見通しを0.1ポイント上方修正して+1.6%としたが、2016年は0.1ポイント下方修正して+1.8%とした。2016年のユーロ圏CPI見通しは1.0%に引き下げ。アメリカの7~9月期の労働生産性指数速報値は年率換算で前期比1.6%上昇し市場予測を上回った。新規失業保険申請件数は+1.6万人の大幅悪化で2月以来の水準。フェイスブックが前日に決算を発表し、全世界で月間平均15.5億人が利用して広告収入が大半の売上高は過去最高で、EPSも市場予測を上回った。アメリカの長期金利は上昇、原油先物は続落、金先物は6日続落。8月24日に40.74まで上がったシカゴVIX指数(恐怖指数)は15.51まで下がっている。為替のドル円は一時122円にタッチし121円台後半、ユーロ円は132円台前半。CME先物清算値は19225円。