【今週の振り返り】3日続伸で264円上昇できた2015年最終週

2015年12月30日 22:05

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為替はずっと円高。薄商いで上海に翻弄され、まるで洞穴探検のように上値が重苦しい。リバランスはキツネとタヌキの化かしあい。でも3日続伸で終わりよければ、全てよし?

 日経平均終値は108.88円高の18982.23円、TOPIX終値は+14.17の1543.39。売買高は15億株、売買代金は1兆7689億円で今年最低は免れたが5営業日連続の2兆円割れ。値上がり銘柄数は1557、値下がり銘柄数は277。プラスのセクターは32、マイナスのセクターは鉄鋼1業種のみの全面高。値上がり業種の上位は毎日毎日、日本水産<1332>の一人芝居の水産・農林をトップに、医薬品、建設、その他製品、空運、銀行などだった。

 30日の日経平均は3日続伸して2015年の取引を終了。NYダウは192ドル高で3営業日ぶりの大幅反発。NASDAQもS&P500もプラスだった。ヨーロッパ市場は全面高。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は+5.5%、CB消費者信頼感指数は+3.9ポイントの96.5で3ヵ月ぶりに上昇し、どちらも市場予測を上回った。NYMEXのWTI原油先物価格も大幅反発して1バレル37ドル台に戻り、終始、買い先行のダウは一時220ドル高を超え、高値圏を維持したまま終えた。金先物価格は小幅続落。為替レートはドル円は120円台半ば、ユーロ円は131円台後半。日経平均先物は大阪の終値では19000円台を回復して19110円で、CME先物清算値は19105円だった。

 2015年最終売買日の日経平均は88円高の19070円で始まる。12月のSQ値18943円を超え、19000円台の回復はザラ場では24日以来4営業日ぶり。TOPIXは1550.28で始まる。序盤は上下に小さく振れながら値を切り上げ、19100円にもタッチする。午前9時38分に19113円まで上昇するが、その後は19100円の少し下で推移。上海市場はプラスで始まりながらすぐマイナスに沈むが、日経平均は影響を受けない。前日はどれもマイナスだった「日経平均寄与度御三家」が揃って上昇し、それが安定の大きな要因。11時台に入ると少し下げ11時12分に19026円の安値をつけるも大台は割り込まない。上海市場はプラスとマイナスの間を行ったり来たりの小動き。日経平均の前引けは61円高の19044円で、TOPIXもプラスだった。

 上海は小幅のマイナスで午前の取引を終える。7年前までは半ドンで前場だけだった大納会の日の後場の日経平均は19023円で安値を更新して再開。半ドンをやめたのは取引終了時刻設定の変更で売買システムがトラブるリスクを回避するためだという。泣いても笑っても今年の売買はあと2時間半。午後0時35分に19017円の安値を取ったが、大台は割らずその後は反発。しかし19100円に届かず19050~19080円の狭いレンジのまま経過する。上海市場は小幅マイナスで再開し下げ幅をどんどん拡大していく展開だが、日経平均は下げても19040円あたりで止まる。上海も30分ほどで底打ち。薄商いの中、19040円付近での動きの乏しい相場が終盤まで続く。東証アローズでは大納会ゲストの佐渡裕氏がオーケストラを指揮するビデオの上映が始まり、大引け直前に波乱が起きることもなく51円高の19033円で終えた。日中値幅は96円。TOPIXは1550に届かず。日経平均先物日中取引はジャスト19000円で終えた。

 ゲストの佐渡氏がいつもの指揮棒を木槌に持ち替えて5回打鐘し、2015年の東京証券取引所の売買は全て終了した。春から夏の終わりにかけてコンスタントに乗せていた2万円の大台は大納会で回復できなかったが、終値で19000円台に乗せたのは17日以来8営業日ぶり。「掉尾の一振」と呼ばれるほど力強くないが最後は3日続伸で、その意味では悪くない年の終わり方だろう。上海総合指数は0.25%高で続伸。夏の終わりに「チャイナ・パニック」を引き起こした上海市場はNY市場とともに、31日も取引がある。

 日経平均終値は51.48円高の19033.71円、TOPIX終値は+3.91の1547.30。売買高は14億株と今年最低の薄商いで、売買代金1兆6505億円は6日連続2兆円割れ。値上がり銘柄数は1207、値下がり銘柄数は597。東証33業種は20業種が上昇し、その上位は電気・ガス、食料品、小売、陸運、精密機器、化学など。繊維1業種がプラスマイナスゼロ。12業種が下落し、その下位は海運、保険、鉄鋼、ガラス・土石、石油・石炭、医薬品など。

 2015年の新規IPOは92件(TOKYO PRO MARKET上場、経営統合など公募・売出しを伴わない上場を除く)。2014年の77件に比べると15件多く、そのハイライトは11月4日の郵政3社上場だった。初値が公開価格を上回ったかどうかで勝敗を判定する星取は82勝8敗2引き分けで勝率は89.1%。なお、IPO予定の延期、取り消しが3件あり、IPO後の投資家に対する〃裏切り行為〃も発生して、新規IPOの数は3ケタに乗らなかった。

 今週の星取は3勝0敗。前週末25日の終値18769.06円から264.65円上昇して今週の取引を終えた。3日間しかないが5週間ぶりのプラスになった。12月の取引を終了し、11月30日の終値19747.47円から713.76円下落して今月の取引を終えた。9月以来3ヵ月ぶりのマイナスの月になった。

 2015年は、昨年末の12月30日の大納会終値17450.77円から1582.94円、9.0%上昇して今年の取引を締めくくった。2012年から4年連続の年間騰落プラス。ザラ場ベースの年初来高値は6月24日の20952.71円、年初来安値は1月16日の16592.57円で、その差は4360.14円だった。(編集担当:寺尾淳)