【今週の振り返り】日銀会合ゼロ回答で4連敗し906円下落の週

2016年04月30日 20:04

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25日は「日経平均よ、なぜ下がる?」。26日は下落の「ナイアガラの滝」を見た。27日は「思惑が交錯し、うかつに買えない」。28日は「悪いのはブルームバーグだ」。

 日経平均は148円高の17438円で大幅反発スタート。しかしTOPIXは1400に届かない。17500円をオーバーして9時15分に17533円まで上昇し、TOPIXも1400を超えるが一時的。前場の日経平均は17400円台後半での静かな値動きが続き、正午すぎの日銀会合の結果を息を殺して待つ雰囲気。10時台になると少し水準を上げて17500円を超えるものの動きは乏しい。上海市場はプラスで始まってマイナスに大きく沈むが、再びプラスにタッチする乱高下。10時台後半、為替のドル円がいきなり112円近くまで円安方向に跳ねると日経平均も反応し、11時3分の17572円まで上昇する。TOPIXは1400台乗せ。こんな時はあやふやな噂にも過敏に反応する。渦中の三菱自動車<7211>が「北米では2013~17年型に不正はなかった」と発表して急騰。アメリカでは訴訟関連費用の重圧でつぶれる会社は星の数ほどあるが、そのリスクは一応回避。ドル円は円高方向に少し戻し、日経平均は17500円台前半で落ち着いて推移。前引けは243円高の17533円だった。ここまでは追加緩和期待があった。

 正午を回ると早々と日銀の金融政策決定会合の結果が発表された。早いということは「金融政策現状維持」。22日にブルームバーグが報じてマーケットが反応した「金融機関向け貸付にマイナス金利適用」も「日銀当座預金のマイナス金利幅の拡大」も「国債買入枠の拡大」も「ETF購入枠の拡大」もなく、「プチ緩和」のプの字もないゼロ回答。2%のインフレ目標の達成時期の目安を2017年度に先送りした。発表の時間も含め、マーケットとの対話どころか「敵意」すら感じられる結果で、直後に為替のドル円は108円台まで3円近くも円高進行。日経平均先物日中取引は16600円まで売り込まれた。

 上海市場は乱高下やまずマイナスで午前の取引を終える。後場の日経平均は99円安の17191円で再開するが、売り気配銘柄に値がつくにつれて3分後には17000円を割り、0時44分に560円安の16730円まで下げる。TOPIXは1350を割る。失望感で金融関連セクターの下げがきつい。ドル円は午前から2円を超える円高の109円台前半でくすぶる。1時台にかけては16800円台に乗せるのがやっとで、その前半の小さい値動き。

 だが、先発投手突然のメッタ打ち大量失点の後に登板する敗戦処理投手は、がんばっても報われずモチベーションの維持が難しい。2時前から円高が再燃してドル円は108円台になり、日経平均は再び16800円を割る。上海市場はマイナスで再開し動きが乏しい。3月の新設住宅着工戸数は8.4%増で3カ月連続増加。終盤は大荒れの試合の締めくくりどころか火に油を注ぎ、安値を更新、更新、また更新。日足一目均衡表の雲の上限16697円も、75日移動平均線16676円も歯止めにはならず、2時43分の16652円でようやく止まる。25日移動平均線16629円、3月SQ値16586円は割り込まなかったが、前場高値から920円も安い。大引けもあわや安値引けのピンチで、終値は624円安の16666円と不吉な数字「6」が並んだ。日経平均先物日中取引は16500円の安値引け。

 日経平均終値は624.44円安の16666.05円、TOPIX終値は-43.75の1340.55。売買高は31億株、売買代金は3兆1868億円と突然の大商い。値上がり銘柄数は228、値下がり銘柄数は1681。全33業種がマイナスで、その下位は証券、銀行、保険の金融関連セクターを筆頭に、海運、鉄鋼、その他金融など。上海総合指数は終盤プラスまでは戻しきれず0.27%安だった。

 今週の星取は4戦全敗。前週末22日の終値17572.49円から906.44円下落して今週の取引を終えた。3週間ぶりのマイナス。4月の取引も全て終了。3月31日の終値16758.67円から92.62円下落して4月の取引を終えた。それでも月間騰落は3月の上昇分731.91円を12.6%削り込んだだけですんでいる。(編集担当:寺尾淳)