ヘアカラートリートメント市場が活況。ハチミツや昆布など新規参入も続々

2016年10月08日 18:23

 化粧品市場では今、ヘアカラートリートメントの分野が活況だ。富士経済の調査によると、2015年度のヘアカラー市場は前年比で102.6%増の1357億円、白髪用ヘアカラートリートメントは同じく前年比112.8%増の159億円となった。2016年度も大手メーカーを中心にヘアカラートリートメントの新製品などの投入が進んでいることから、ヘアカラー市場で15年度比102.9%増の1397億円、白髪用ヘアカラートリートメントでは112.6%増の179億円と、順調な成長を見込んでいる。大手化粧品メーカーだけでなく、異業種からの参入や通販メーカー、制度品カウンセリングメーカーなども白髪用ヘアカラーの商品開発や広告に注力していることから、今後もますます需要が進みそうだ。

 市場が好調なのは良いことだが、各社、商品開発で差別化を図るのに苦心している。昨年から今年にかけて、これまでのヘアカラー商品とは異なるペンタイプやマスカラタイプの一時染毛料や毛髪着色料などの新型商品が数多く投入されてきた。しかし、よりターゲットのニーズに合った魅力的かつオリジナリティのある商品を投入していかなければ、他社に水をあけられてしまうことになるだろう。これは、企業規模問わず、共通の課題といえる。この点については小回りが利きにくい分、大手よりもニッチな需要に対応しやすい新規参入企業や専門分野の業者の方に分があるかもしれない。

 例えば、ミツバチ産品の製造販売で知られる山田養蜂場なども、そんな企業の一つだ。これまで、ヘアカラートリートメントは髪や頭皮へのダメージは小さいが、「落ちやすい」、「ムラが出る」などの消費者の不満があった。そこで同社は髪にやさしく、しっかり染まり、落ちにくいヘアカラートリートメントの開発に着手し、10月7日より販売した。長くしっかり染まるようにするため、一般的なヘアカラートリートメントには配合されていないアミノ酸の一種である「グリシン」を配合。また、ハチミツなどのミツバチ由来成分と3つの植物バターを練りこんだ「ハチミツヘアバター」や椿オイルの約2倍のビタミンEを含む佐賀県嬉野産の「お茶の実オイル」を配合し、トリートメント機能を強化し、差別化を図っている。

 また、株式会社ピュールが同社のブランドである自然派clubサスティから発売している利尻昆布ヘアカラーシリーズも、ミネラル豊富な利尻昆布に多く含まれるミネラルを利用、さらに無添加にこだわり、保水と保湿が優れているため、白髪を染めながら潤いのある髪質にしてくれると評判になっている。

 いつまでも若々しくありたいのは、男女問わず万人の願い。見た目年齢を大きく左右する髪の色つや、ボリュームはとくに気になるところだ。評判は良くても、髪質によっては、合う合わないもあるだろうから、いろいろ試してみたいものだ。(編集担当:藤原伊織)