ICT総研では混雑環境での動画視聴品質および通信速度を実施し、結果をまとめた。ネットワークの混雑時が予想される昼(11:30~13:30)、および夕方(17:00~19:00)の時間帯に限定し調査を実施。調査対象はNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクのMNO3事業者を中心に、楽天モバイル、OCNモバイルONE、IIJmio、mineo、BIGLOBE SIMのMVNOという 5事業者の各社SIMをiPhone7に挿入し動画視聴品質の調査を行った。
動画視聴品質に関しては「動画再生可否割合」について、MNO 3事業者はすべての端末での動画再生に成功した。一方、MVNO 5事業者はmineoが動画再生成功率100%を記録したものの、OCNモバイルONEのみの成功率が83%であり、平均で96.0%という結果となった。
次に動画再生ボタンを押してから動画が再生されるまでの待機時間と動画再生中に停止していた時間を「動画再生時間」とし、全体に占めるその割合を調べた。MNO 3事業者は平均2.0%であったのに対し、MVNO 5事業者は5.2%と、約2.6倍という記録結果となった。
次に動画再生ボタンを押してから実際に動画が再生されるまでの所要時間を「動画再生開始時間」と定義し調査。その結果MNO 3事業者の平均が2.4秒であるのに対し、MVNO 5事業者の平均は5.7秒と約2倍の差がみられた。ダウンロードバーが完了の位置まで移動するまでの所要時間を「動画ダウンロード所要時間」とし調査を行ったところ、MNO 3事業者の平均が6.2秒であるのに対し、MVNO 5事業者の平均は33.5秒と約5倍もの差がつく結果となり、通信速度に関しては大手3キャリアが優勢だということが上記の結果からも分かった。
これはエリアごとにおいて各キャリアの通信速度に違いが出てくることも分かっており、東京エリア、大阪エリアでは「ソフトバンク」が優位であり。名古屋エリアでは「NTTドコモ」が優位だという調査結果が分かっている。
今回の調査では動画視聴品質、通信速度ともにMNOが優勢という結果となった。低価格なMVNO市場は右肩上がりに拡大しているが、やはりネットワーク品質という点ではMNOに軍配があがる。価格で選ぶならMVNO、品質で選ぶならMNOという裏付けとなる調査結果だったと言えよう。(編集担当;久保田雄城)