改憲に強い意欲 3選の安倍総裁

2018年09月21日 06:42

 自民党総裁選挙で20日、3選を果たした安倍晋三総裁(総理)は記者会見し、憲法9条(戦争の放棄)を意識したとみられる改憲について「総裁選の結果、力強い支持を得ることができた。結果が出た以上、大きな方針に向かって一致結束し進んでいかなければならない」と今回の選挙の最大争点が憲法改正だったとして、憲法9条に自衛隊を明記するとの安倍総裁の考えに異論を唱え選挙を戦った石破茂元幹事長を強くけん制した。

 安倍総裁は「次の国会に自民党の改正案を提出できるように取り組むべきだと申し上げてきた」とこれまで以上に改憲に強い姿勢を示した。次期国会は改憲推進保守系団体の国会議員懇談会所属議員ら約300人を中心に安倍総裁を後方支援するで、具体化に向けた動きを加速させる国会になりそうだ。

 今回の総裁選挙では当初から安倍優勢が明確だったが、国会議員票で安倍総裁が8割を超える得票を得た一方で、党員票・党友票は安倍総理55%、石破元幹事長45%と石破氏が45%を取った。

 自民党の二階俊博幹事長は「あまりにも早くから安倍さん圧勝が伝えられていたから。これに対し、やっぱり少しチェックしておこうと、こういう国民全体の流れがあったのではないか」と語った。石破氏は「正直、公正な政治」を訴えの一つにあげたが、森友・加計問題では安倍総裁の総理として「膿を出し切る」とした国会答弁と実際の姿勢に乖離が大きすぎ、自民党の支持層も含め、国民の7割が、モリカケ問題には強い疑念を持っている。安倍一強が続く中で、暴走を懸念する党員の意識が現れたともいえそうだ。(編集担当:森高龍二)