FIAフォーミュラE選手権の第3戦が1月26日、チリのサンティアゴのオヒギンズパークに設営された市街地サーキットで開催された。決勝レースは最高気温が摂氏37度にも達する炎天下で開催された。この高温のなかで開催されたこのレースで、アウディ・カスタマーチームEnvision Virgin Racing(エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング)のサム バードが、Audi e-tron FE05で初優勝を果たした。マヒンドラ・レーシングのパスカル・ウェーレインが初表彰台となる2位をゲット。さらに、3位はアレクサンダー・シムズ(BMW i アンドレッティ・モータースポーツ)が入るもペナルティでタイム加算となり、Team Audi Sport ABT Schaeffler(チーム・アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー)が、3位今季初の表彰台を獲得した。
アウディと技術パートナーのシェフラーが共同開発したモータージェネレーターユニット(MGU)を搭載した新しいマシンは、非常に難しいコンディションのなか、レース序盤から素晴らしい走りを展開。ルーカス・ディ・グラッシは、最初のフリー走行で、最速タイムを記録した。チーム・アウディの両ドライバーは、トップ6のドライバーで争われる最終予選のスーパーポールに進出。ディ・グラッシは2位に0.526秒の大差をつけるベストラップを記録した。
決勝レースは、ディ・グラッシのチームメイトで、3番グリッドからスタートしたダニエル・アプトが3位でチェッカーを受け、チーム・アウディのドライバーとしてシーズン初の表彰台に立った。
ディ・グラッシは、グループにおけるルール違反のため、ポールポジションから最終グリッドに降格されたが、決勝レースでは、22番グリッドから9番手まで一気にポジションを上げるも、衝突によるタイムペナルティにより、最終的な順位は12位だった。
ディ・グラッシのポールポジション剥奪で、日産e.dams(eダムス)チームのセバスチャン・ブエミが初のポールポジションを獲得。ブエミはスタートからレースをリードしたが、残り15分の時点でブレーキがロックし、マシンを壁にヒットさせ、リタイヤした。
なお、今回のRound 3で優勝を果たした、アウディ・カスタマーチーム Envision Virgin Racingのカーナンバー2番のサム・バードは、トップを走行していた日産のセバスチャン・ブエミのミスを誘い、マヒンドラレーシングに所属する元DTMチャンピオンのパスカル ウェーレインの追撃を抑えてレースを制した。バードのチームメイトのロビン・フラインスも、5位でチェッカーを受けた。
この結果、第3戦のサンティアゴ戦を終えて、ドライバーズポイントでトップは、ジェローム・ダンプロシオ(マヒンドラ・レーシング)となり、1ポイント差でサム・バードが追う格好となった。チームポイントのトップは、エンヴィジョン・ヴァージン・レーシングが立ち、9ポイント差でマヒンドラ・レーシングが追っている。
今回のフォーミュラEサンティアゴ戦は全22台出走中、完走は14台だけと、これまでの3戦のなかで最も過酷なレースとなった。
フォーミュラEの第4戦は、2月16日にメキシコシティで開催される。昨年のメキシコ戦では、アプトがフォーミュラEで初優勝を飾り、チームタイトル獲得する原動力となったレースだ。(編集担当:吉田恒)