トヨタ自動車は、新型コロナウイルス感染症に感染した患者のうちで、比較的軽症者の移送用の車両提供を実施していると発表した。東京都内の病院などにすでに5台を納車し、1台を千葉県に提供したという。
この車両は、自治体からの協力要請に対し、JPN TAXI(ジャパンタクシー)をベースに、トヨタ自動車東日本 東富士研究所にて開発・架装を実施した特装車だ。
今回、提供した車両は、JPN TAXIをベースに、運転席・助手席のある車両前方スペースと、後部座席以降の車両後方スペースの間に隔壁を設置し、前方を陽圧、後方を陰圧とすることによって、後方の空気が前方に循環しないようにコントロールした「飛沫循環抑制車両」だ。すでに、ホンダなどもミニバンのオデッセイなどをベースに改装した車両を提供している、搬送ドライバーなどへの感染防止対策を施したクルマで、すでに軽症患者の移送に活用しているという。
トヨタ自動車ならびにトヨタグループ各社は、「安全・安心を最優先に現場で戦っている方々、苦しんでいる方々の気持ちに寄り添いながら、私たちにできることを即断、即決、即実行していく」との方針に基づき、現在、社会的な最優先課題となっている感染拡大の抑制や医療現場の支援に向けて、さまざまな側面から対策を検討し、迅速に取り組んでいくとして、今回の車両を公開した。
軽症の患者様を療養施設やホテル等へ移送することによって病床を確保し、医療崩壊を防ぐための取り組みが各地で始まっている。そこでトヨタは、軽症の患者を安全に運べる車両、ドライバーの感染防止が課題であるとの認識から、医療現場のニーズをヒヤリングし、少しでも役に立てる車両を提供するとも想いで検討を進めてきたとしている。(編集担当:吉田恒)