トヨタ、将来のクルマと通信の融合を鑑みて、KDDIとの連携強化を図る

2020年11月01日 10:04

Toyota+KDDI

トヨタ自動車とKDDIが新たな業務資本提携。トヨタによるKDDIの持株比率は13.74%となる

 トヨタ自動車とKDDIは、両社の提携関係の更なる強化を図る目的で、新たな業務資本提携に合意したと発表した。

 2000年10月に第二電電(DDI)、KDD、日本移動通信(IDO)の三社合併によりKDDIが発足して以来、トヨタはKDDIの第2位の大株主(2020年9月の持株比率12.95%)となっていた。また、2002年以降はトヨタのテレマティクス事業であるG-BOOKサービスなどで協業してきた。

 近年、クルマのインターネットへの「つながる化」が進む中、両社は2016年から車載通信機とクラウド間の通信において、高品質で安定した通信をグローバルに確保するために、従来のローミングサービスなどに依存しない、グローバル通信プラットフォームの共同構築を推進するなど、クルマと通信の融合によって安全や快適さを提供する取り組みを加速させている。

 現在両社は、街、家、人、クルマの全てがつながる未来社会の到来に向け、それぞれの中核事業である「移動」「通信」の枠を超えて新しい取り組みを加速している。

 今回、通信技術およびコネクティッドカー技術の研究開発を推進するとともに、人々の生活を豊かにするサービスの開発や、ビッグデータの活用などによる社会課題解決に取り組む。

 具体的には、4G、5G、6Gなど通信規格の進化のなか、街、家、人、クルマそれぞれの間での最適な通信を可能とする通信プラットフォームの研究開発を共同で実施する。デバイスからネットワーク、プラットフォーム、サービスまで一元化して管理し、高度な運用を可能とする次世代コネクティッドカー向けの運用管理システムを共同で開発。また、クルマの内外だけでなく、人々の生活を豊かにし、安心安全を追求していくサービスおよびサービスプラットフォームを共同で構築する。加えて、街、家、人、クルマなどのビッグデータを活用した、都市と地方間や各地域のコミュニティにおける社会課題解決を共同で推進するという。

 以上の業務提携の合意を背景に、両社が中長期に渡って戦略的な提携を進めるためには、さらなる資本関係の強化が必要との判断から、両社はトヨタを引受先としたKDDI株式18,301,600株(総額約522億円)の第三者割当による自己株式処分(注1)を実施することに合意した。

 これにより、トヨタによるKDDIの持株比率は13.74%となる予定。株式取得日(払込期日)は2021年1月29日を予定するという。(編集担当:吉田恒)