住友化学、第1四半期は最終利益408億円 石化回復と持分法利益改善で黒字転換

2026年08月04日 17:22

今回のニュースのポイント

住友化学が発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)連結決算は、売上収益が5,782億円(前年同期比9.9%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益が408億円となり、前年同期の45億円の赤字から大幅な黒字転換を果たしました。石油化学事業の採算改善や持分法投資利益の改善が大きく寄与しました。

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 住友化学が4日発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比9.9%増の5,782億円、コア営業利益が同125.2%増の623億円、営業利益が同139.8%増の610億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益(最終利益)が408億円の黒字(前年同期は45億円の赤字)となりました。営業利益、最終利益ともに前年同期から大きく回復し、収益力の改善が鮮明となりました。

 業績改善の最大の牽引役となったのが、石油化学事業を担うエッセンシャル&グリーンマテリアルズ事業です。売上収益は前年同期比48億円増の1,702億円、コア営業利益は同327億円改善し272億円の黒字となりました。持分法適用会社であるサウジアラビアのラービグ・リファイニング・アンド・ペトロケミカル(ラービグ)の採算改善に伴う持分法投資利益の改善に加え、合成樹脂などで市況上昇に伴う在庫評価差益が発生したことが利益を大きく押し上げました。

 その他のセグメントにおいても概ね堅調な推移がみられました。アグロ&ライフソリューション事業は、国内における農薬販売の伸長や円安に伴う輸出手取りの増加、飼料添加物メチオニンの交易条件改善により、売上収益1,090億円(前年同期比121億円増)、コア営業利益96億円(同74億円増)と伸ばしました。一方、ICT&モビリティソリューション事業は、高純度ケミカルやフォトレジストなど半導体プロセス材料の需要拡大で売上収益は1,486億円(同112億円増)と増加したものの、偏光フィルム事業の譲渡益剥落や固定費増加などの影響によりコア営業利益は130億円(同53億円減)にとどまりました。

 医薬品事業の住友ファーマは、米国における進行性前立腺がん治療剤「オルゴビクス」や過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」の販売拡大などが寄与し、売上収益は1,290億円(前年同期比216億円増)へと増加しました。ただし、臨床試験の加速等による研究開発費の増加などからコア営業利益は188億円(同22億円減)となりました。財務面においては、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)が30.5%(前期末は29.6%)に上昇し、D/Eレシオ(純有利子負債倍率)も0.80倍(前期末は0.93倍)へと改善が進んでいます。

 2027年3月期の通期連結業績予想については、従来の計画を据え置いています。通期の売上収益は2兆3,600億円(前期比1.4%増)、コア営業利益は2,150億円(同3.2%増)、営業利益は1,770億円(同16.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は700億円(同14.9%増)を見込んでいます。1株当たりの年間配当予想についても16円(中間8円、期末8円)で変更はありません。なお、未定としていた第2四半期(中間期)の業績予想を新たに公表し、売上収益1兆1,700億円、コア営業利益1,250億円、営業利益1,220億円、親会社の所有者に帰属する中間利益700億円を見込んでいます。

 今回の決算は、石油化学事業の採算改善や在庫評価差益、持分法投資利益の回復が全体業績のV字回復を支える形となりました。一方で、半導体材料や医薬品分野では研究開発費や固定費の増加が利益の下押し要因となっており、今後は石化市況の底堅さに加え、先端材料や医療分野における費用抑制と収益拡大のバランスが通期達成に向けた注目点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)