今回のニュースのポイント
日本製鉄が発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)連結決算は、U.S. Steelの連結効果などにより売上収益が前年同期比40.4%増の2兆8,211億円、事業利益は同58.1%増の1,455億円となりました。前年同期に計上した事業再編損がなくなったこともあり、親会社の所有者に帰属する四半期利益は752億円と前年同期の1,958億円の赤字から黒字転換を果たしました。
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日本製鉄が4日発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比40.4%増の2兆8,211億9,600万円、事業利益が同58.1%増の1,455億1,100万円、営業利益が1,455億1,100万円(前年同期は1,395億5,900万円の赤字)、親会社の所有者に帰属する四半期利益(最終利益)が752億9,900万円の黒字(前年同期は1,958億3,300万円の赤字)となりました。前年同期に計上されたAM/NS Calvert持分譲渡に伴う事業再編損(2,315億円)が剥落したことも寄与し、大幅な増収と黒字転換を達成しました。税引前四半期利益も1,138億9,900万円(前年同期は1,451億9,300万円の赤字)へと改善しています。
業績を押し上げた最大の要因は、米鉄鋼大手U.S. Steelの連結化です。一方で、在庫評価差等を除いた本業の稼ぐ力を示す「実力ベース事業利益」は前年同期比650億円減の1,084億円となりました。これは国内鋼材マージンの悪化や国内需要の低迷が響いたためですが、U.S. Steelの利益寄与(約320億円)を含む海外事業の拡大や、在庫評価差等の改善(前年同期比1,120億円)がこれを補い、連結全体の事業利益を大きく押し上げました。
セグメント別の事業利益をみると、主力の製鉄事業が1,442億6,900万円(前年同期は852億4,500万円)となり、全体の利益改善を強力に牽引しました。このほか、システムソリューション事業が95億8,900万円(同87億4,300万円)、ケミカル&マテリアル事業が92億1,600万円(同31億8,500万円)とそれぞれ伸ばした一方、エンジニアリング事業は42億2,000万円(同54億5,000万円)にとどまりました。
2026年6月末時点の財政状態は、総資産が前期末比5,155億300万円増の15兆1,760億8,600万円、資本合計が6兆1,213億2,600万円となりました。親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は37.1%(前期末は37.7%)と安定した水準を維持しています。なお、有利子負債(セグメント負債ベース)は約5兆5,157億円に拡大しており、U.S. Steel買収に伴う財務負担の管理も継続して注目されます。
当第1四半期の進捗や足元の状況を踏まえ、同社は2027年3月期の通期連結業績予想を上方修正しました。通期の売上収益を11兆2,000億円(前期比11.3%増)、事業利益を従来予想から1,000億円引き上げて6,300億円(同22.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益を700億円引き上げて2,900億円(同1,600.0%増)に見直しました。基本的1株当たり当期利益は55円を見込みます。年間配当予想については、中長期経営計画に基づく下限配当等を踏まえ、24円(中間12円、期末12円)の従来見通しを据え置いています。
今回の決算は、U.S. Steelの連結効果が表れて売上・利益ともに大幅な業績改善を果たした形となりました。もっとも、国内需要の停滞や鋼材マージン悪化など本業の実力ベースでの課題も存在しており、今後は買収したU.S. Steelとのシナジー創出を加速させるとともに、国内製鉄事業の収益力強化を進められるかが通期目標の達成に向けた鍵となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













