日立とエネウィル、蓄電池の「グリーン価値」証明サービス開始 次世代再エネ取引を後押し

2026年08月06日 10:12

今回のニュースのポイント

日立製作所とエネウィルは5日、系統蓄電所に蓄えられた再生可能エネルギー由来の電力が持つ環境価値(グリーン価値)をデジタル技術で追跡・証明するサービスを開始するとともに、このサービスを活用した売電事業で協業を開始したと発表しました。蓄電過程で不透明になりやすかった再エネ電力の環境価値を30分単位のデータ管理で可視化することで、国際的な環境基準改訂に対応した次世代型再エネ取引の社会実装を推進します。

本文
 日立製作所とエネウィルは5日、系統蓄電所に蓄えられた再生可能エネルギー由来電力の「グリーン価値」をデジタル技術で証明・可視化し、事業活用を図る協業を開始したと発表しました。日立が開発した蓄電電力のグリーン価値認証サービス「Storing RE」を適用し、一般社団法人パワード・バイ・アールイー認定委員会による第三者認証を受けた信頼性の高いグリーン電力供給システムを構築しました。

 本サービスはすでに、エネウィルが北海道名寄市で運用する「名寄1蓄電所」(出力1,999kW、容量8,128kWh)において実用化されています。太陽光発電所でつくられた再エネ電力を蓄電所に充電し、電力需要が高まる時間帯へタイムシフト供給して近隣施設で消費するスキームの中で、発電・充放電・受電のデータを30分単位で一元管理しています。蓄電池内で電力が混在した場合でも、独自のトラッキング技術により「再エネ由来であること」を厳密に証明・管理できる仕組みを実現しました。

 導入の背景には、企業などが算出する温室効果ガス(GHG)排出量の国際基準「GHGプロトコル」のガイドライン改訂の動きがあります。国際市場では今後、発電と消費の時間軸を一致させる「アワリーマッチング(時間単位での需給一致)」や同一エリア内での調達を示す「同地性」など、再エネ電力に対するトレーサビリティ要件が厳格化する方向で議論が進んでいます。今回の取り組みは、こうした次世代のグリーン電力取引や国際ルールの厳格化への対応を見据えたインフラ基盤となります。

 両社は今後、本サービスの社会実装を拡大させ、系統蓄電所事業の高度化と収益性向上を支援していく方針です。さらに日立は、今回のグリーン価値トラッキング機能に加え、AIによる発電量予測、需要予測、蓄電池劣化予測、市場価格予測を組み合わせ、環境価値と経済価値の双方を最適化して運用する次世代ソリューション群「HMAX Industry」として、国内外への事業展開を進めていく構えです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)