積水ハウス3期連続の増収増益決算、純利益は60.4%増で8円増配

2013年03月07日 21:33

 住宅メーカー最大手の積水ハウス<1928>が7日、2013年1月期の決算を発表した。売上高が前期比5.4%増の1兆6138億1600万円、営業利益は同21.6%増の861億9600万円、経常利益も同31.0%の917億6700万円となり、当期純利益は同60.4%増の464億5800万円という結果となった。売上高は過去最高を記録、増収増益も3期連続となっており、年間配当を期初計画から3円、前期比では中間配当を加え8円増配の28円となる。

 快適性と経済性、そして環境配慮を叶える「グリーンファースト戦略」を軸に、安全・安心やエネルギー対策を訴求した販売が市場のニーズと合致。戸建住宅におけるグリーンファースト率は83.8%、制震システムのシーカス搭載率は76%、空気環境配慮仕様のエアキスの採用率も79%といずれも高水準となり、太陽光発電システム受注棟数も日本初の年2万棟超えとなる21305棟を記録している。設計自由度が大幅にアップした3階建て住宅や、シャーウッド専用の陶版外壁「ベルバーン」など独自の魅力アイテムが他社との差別化に大きく貢献しているようだ。「住」に特化した中高級ブランドを構築し、ニーズを捉えた販売政策と、それを高い水準で継続する経営が、国内住宅市場は少子高齢化により縮小するといった悲観を完全に払拭した形である。

 受注高も前期比8.1%増と好調で、受注残高も同15.2%と堅調であることから、次期も順調に業績を伸ばすと見られる。アベノミクスへの期待感もあり、また昨年から相続税対策の動きが活発化し、住宅・不動産投資の動きが良くなってきたことも背景に、昨年11月に発表された新中期経営計画においてなされた業績予想を売上高で200億円増の1兆7400億円に、経常利益を100億円増の1100億円に、当期純利益も570億円から630億円へと、それぞれ上方修正している。2014年1月期の年間配当も前期比8円増配の36円を予定しており、利益拡大と増配で勢いづくのは必至だ。「住」に特化した成長戦略を継続して展開しながら、ブランドビジョンに「SLOW&SMART」を掲げ、今後はZEH(ゼロエネルギーハウス)の普及を図るという。好調な業績に加え、先月26日には東証の「なでしこ銘柄」にも選定されており、今後の同社の動向にますます注目が集まるであろう。(編集担当:井畑学)