物価高で広がる「生活密着型」福利厚生 コンビニ最大10%オフも登場

2026年08月27日 08:04

画・大インフレ時代、食費は節約。4人家族で月5万円未満6割。外食は月1回以下7割。

物価高が続くなか、食事や日々の買い物など生活に身近な支出を支援する福利厚生が広がりをみせている(写真はイメージ)

今回のニュースのポイント

第一生命保険、ベネフィット・ワン、Leafeaの3社は26日、中小企業を中心とした福利厚生の充実に向けて業務提携すると発表しました。12月1日から提供する「ベネフィット・ステーション」の新たなオプションとして、全国のコンビニエンスストアで最大10%オフとなる優待などを導入します。物価上昇が長引くなか、福利厚生を旅行やレジャーだけでなく、日々の食事や買い物の負担軽減につなげる「日常生活支援型」のサービスを拡充する動きがみられます。

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 第一生命保険、ベネフィット・ワン、Leafea(リフィア)の3社は26日、地方創生や中小企業の支援を目的とした業務提携契約を締結したと発表しました。

 本提携の第1弾として、ベネフィット・ワンが展開する総合福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」に、Leafeaの日常生活支援型サービスを組み合わせた新オプション「ベネワンライフプラス powered by Leafea」の提供を2026年12月1日より開始します。既存の福利厚生プランに対し、従業員1人あたり月額300円(税別)を追加する形で導入できます。

 新オプションの大きな特徴が、全国のコンビニエンスストアで利用できる最大10%オフの割引サービスです(なお、コンビニ各社によって割引対象となる商品は異なります)。

 福利厚生サービスでは、旅行・宿泊やレジャー施設のほか、グルメ、育児・介護、学習、健康など幅広いメニューが提供されてきました。一方、近年は日々の暮らしにより身近なサービスを拡充する動きもみられます。物価上昇が続く環境下において、毎日の買い物や食事といった日常的な支出に直接作用し、実質的な生活費負担を軽くする「生活密着型」の福利厚生が関心を集めています。

 こうした福利厚生の充実を予定する企業も少なくありません。帝国データバンクが2025年に実施した調査(有効回答1万554社)によると、今後の法定外福利厚生について「内容または金額、あるいはその両方を充実させる予定」と回答した企業は47.6%に上りました。人手不足が長期化するなか、採用対策や定着率向上を意識して福利厚生を拡充する企業もみられます。

 特に中小企業において、人材の確保・定着は経営の大きな課題です。大企業のように自前の手厚い制度を構築・運用するリソースが限られることや、地方部では利用できるサービスに地域差が生じやすいことが課題として挙げられてきました。第一生命は全国約1,000拠点・約3万7,000人の営業ネットワークを活用し、全国の中小企業へ日常生活支援型サービスの導入を促す考えです。人手不足が続くなか、職場環境や処遇の改善は中小企業の人材確保・定着を考えるうえでも重要な課題となっています。

 こうした日常生活に近い福利厚生を巡っては、政策面でも制度見直しが進んでいます。2026年4月、企業が従業員に提供する食事について、所得税が非課税となる企業負担額の上限が、従来の月3,500円から月7,500円へ引き上げられました。実に1984年以来、42年ぶりとなる税制上の上限改定であり、従業員が食事価額の50%以上を負担するなどの要件を満たした場合に適用されます。

 この制度改正を受けた企業の動きも出ています。福利厚生事業を展開するエデンレッドジャパンが8月21日に公表した同社サービス導入企業の利用データによると、非課税限度額引き上げから3か月間で約3社に1社が食事補助額の増額を実施しました。増額を行った企業では、従業員によるサービスの利用回数が62.5%増加したとしています。

 働く側のニーズにおいても「日々の食」への関心は突出しています。freeeなど3社が2026年2月に公表した民間調査(従業員向けアンケート)では、「導入されてうれしい福利厚生」として「食事補助」が61.1%でトップとなり、「医療・健康」(48.6%)や「財産形成」(39.4%)を上回りました。

 もっとも、こうした生活支援型の福利厚生の拡充は、基本給などの「賃上げ」の代わりになるものではありません。毎月決まって支給され、社会保険料や将来の給与水準のベースとなる賃金と、利用条件や使途が限られる福利厚生とでは性質が異なります。両者を単純に置き換えることはできないものの、企業が賃金とは別の手立てとして、従業員の日々の生活負担を和らげる福利厚生のあり方を見直す動きもみられます。

 福利厚生の役割は、旅行やレジャーといった「たまに使う非日常」から、コンビニや日常の食事といった「毎日使える身近な支援」へとその幅を広げています。人手不足と物価高の二大課題に直面する企業において、給与以外の側面からいかに働き手の生活を支え、自社に定着させるか。現場で実感しやすい制度設計へのアプローチは今後も続きそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)