今回のニュースのポイント
中小企業庁と公正取引委員会は、約束手形の利用廃止を踏まえたサプライチェーン全体での支払適正化に向け、官民の金融機関へ資金繰り支援や電子決済への移行支援を周知するよう関係省庁に要請しました。2027年3月31日の電子交換所における手形交換廃止を前に、多くの金融機関が2026年9月30日を最終振出期限に設定しています。支払サイトの短縮を進める企業への柔軟な資金繰り支援と、紙の手形から電子決済への円滑な移行が求められています。
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中小企業庁と公正取引委員会は2026年9月1日付で、約束手形の利用廃止に伴うサプライチェーン全体での支払適正化について、金融機関への周知と協力を求める文書を関係省庁へ送付しました。
背景にあるのは、手形・小切手を巡る自主行動計画などの制度的転換です。全国銀行協会の取組に基づき、2027年3月31日には電子交換所における手形・小切手の交換が廃止されます。これに伴い、多くの金融機関が2026年9月30日を手形・小切手の「最終振出期限」に設定しており、紙の約束手形の発行は目前の9月末に大きな節目を迎えます。
政府は、物価上昇に負けない賃上げの原資を確保できるよう、適切な価格転嫁を定着させる取引環境整備の一環として、支払サイト(取引代金が支払われるまでの期間)の短縮や現金払いの促進を強力に推進してきました。2026年1月1日には改正下請法(中小受託取引適正化法、いわゆる「取適法」)が施行され、同法の対象となる取引においては手形払いが禁止されたほか、電子記録債権等であっても期日までに満額を得ることが困難な支払手段も禁止されています。
支払サイトの短縮は、代金を受け取る受注側企業にとっては早期の資金回収につながります。しかしその反面、代金を支払う発注側企業にとっては、従来よりも早い時期に支払い資金を用意しなければならない課題が生じます。中企庁と公取委は、サイトの円滑な短縮を実現するには、直接の取引先だけでなくサプライチェーン全体でサイトが短縮されることが重要であるとし、取適法の対象とならない取引も含め、支払う側の資金繰りへの影響にも十分配慮する必要があると指摘しています。
こうした事態を受け、両機関は各省庁に対し、官民の金融機関へ2点の対応を周知するよう協力を求めました。
第一に、サイト短縮に取り組む事業者からの資金繰り相談に対し、親身に応じるとともに、業況や資金需要を踏まえた「事業者に寄り添った柔軟かつきめ細かな資金繰り支援」に努めることです。
第二に、電子交換所の廃止に伴うサービスの変更に対し、利用企業が混乱しないよう丁寧な説明を行うとともに、電子記録債権など電子的な決済手段への円滑な移行を支援することです。金融機関では今後、最終振出期限の到来や、他の金融機関を支払地とする手形・小切手の預金入金扱いの停止など、サービス内容に重要な変更が生じることが想定されています。
さらに2027年4月1日からは、独占禁止法上の新たなルールである「支払告示」が施行される予定です。取適法の対象外となる取引であっても、製造委託等を行った事業者が一定の取引先に対し、給付の受領または役務の提供から60日を経過した後も代金を支払わないことが禁止されます。
多くの金融機関で振出終了まで残り1カ月を切るなか、紙の商習慣からの脱却とともに、企業間の資金の流れそのものを円滑に移行させるための支援が本格化しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













