実質賃金2.4%増、7カ月連続プラス 基本給「3%以上」も33年9カ月ぶりの継続

2026年09月14日 10:37

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通勤時間帯を行き交う人々。2026年7月の実質賃金は前年同月比2.4%増となり、7カ月連続でプラスとなった。基本給に当たる所定内給与は4.1%増で、3%以上の伸びが7カ月続くのは1992年10月以来、33年9カ月ぶり。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

厚生労働省が公表した2026年7月の毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金(持家の帰属家賃を除く総合指数をデフレーターに使用)は前年同月比2.4%増となり、7カ月連続で前年を上回りました。さらに基本給に当たる所定内給与は前年同月比4.1%増となり、3%以上の伸びが7カ月連続して記録されました。厚労省によると、所定内給与の3%以上の増加が7カ月続くのは1992年10月以来、33年9カ月ぶりとなります。一方、物価の先行きは不透明であり、上野厚労相も今後の実質賃金の推移について具体的な見通しの言及を控えています。

本文
 厚生労働省が発表した2026年7月分の毎月勤労統計調査(速報)において、労働者1人当たりの実質賃金が前年同月比2.4%増となり、7カ月連続で前年同月を上回りました。この実質賃金は、消費者物価指数の「持家の帰属家賃を除く総合」をデフレーターとして用いた数値です。なお、持家家賃を含む「総合」指数を用いた場合の実質賃金は前年同月比2.6%増となり、こちらは8カ月連続のプラスとなっています。数値を見る際は、採用されている物価指数の定義を区別して扱う必要があります。

 今回の統計発表において際立っているのが、基本給に相当する「所定内給与」の連続的な伸びです。7月の所定内給与は前年同月比4.1%増となりました。単月の伸び率にとどまらず、所定内給与が前年同月比で「3%以上」の増加率を維持する状態が7カ月連続で続いています。上野厚生労働大臣は記者会見において、所定内給与が前年同月比3%以上の伸びを7カ月連続で記録するのは、1992年10月以来、33年9カ月ぶりになると説明しました。前年同月(2025年7月)の所定内給与の伸び率2.5%増に対し、2026年7月は4.1%増となりました。一時的な夏季賞与(ボーナス)の変動だけでなく、毎月の基本給部分が前年を上回るペースを維持している点が今回のデータの主な特徴です。

 実質賃金のプラス要因について、上野厚労相は物価上昇の伸び率が一段落していることに加え、所定内給与が着実に増加している影響を挙げています。ただし、この「33年9カ月ぶり」という表現は、基本給の前年同月比3%以上の増加が7カ月連続したという継続期間のファクトを示すものであり、生活水準や給与の購買力が33年ぶりの高水準に達したことを意味するものではありません。

 今後の実質賃金の動向については、慎重な見方が求められます。実質賃金は名目賃金の伸びと物価の推移という双方の要因によって決定されるため、基本給の増加傾向が続いたとしても、今後物価上昇が再び加速した場合には実質賃金の伸びが縮小あるいはマイナスへ転じる可能性があります。上野厚労相も今後の実質賃金がプラス基調を維持できるかという見通しについて、物価動向の影響を受けることから「具体的に申し上げることは難しい」と述べるにとどめており、将来の持続性について確定的な判断を示していません。

 今後の賃金動向に影響を与える要素として、最低賃金の改定が控えています。厚労省が取りまとめた地方最低賃金審議会の答申では、2026年度の地域別最低賃金の全国加重平均は1,177円となり、前年度から56円の引き上げとなっています。この引き上げ額は目安制度開始以来過去2番目の大きさであり、手続きを経て10月以降に各都道府県で順次発効される予定です。

 7月の統計データは、実質賃金が7カ月連続でプラスとなり、所定内給与では3%以上の伸びが7カ月連続となったことを示しています。こうした状態は1992年10月以来、33年9カ月ぶりです。今後は、10月以降の最低賃金引き上げが賃金全体へ与える影響や、所定内給与の増加傾向が定着するかどうか、そして物価動向が実質賃金に及ぼす影響を客観的なデータに基づいて引き続き確認していくことが焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)