独Fresenius、中国WuXiとバイオ後続薬で開発提携 最大37品目を追加、候補群を66品目へ拡大

2026年11月03日 12:03

研究室イメージ

独Freseniusと中国系WuXi Biologicsは、バイオシミラーの独占開発契約を締結した。Freseniusは今後約10年間で最大37品目の開発候補を選択できる権利を得た(画像はバイオ医薬品研究のイメージ)

今回のニュースのポイント

ドイツのFreseniusは11月2日、中国系のWuXi Biologicsとバイオシミラーの独占開発契約を結んだと発表しました。今後約10年間で最大37品目の開発候補を選択でき、既存の販売中・開発中の29品目と合わせ、対象は最大66品目に広がる可能性があります。候補は13の治療領域に及び、開発費は選択した品目の進行に応じて支払う仕組みです。Freseniusは世界的な商業化権を保持しますが、37品目すべての開発や発売が決まったわけではありません。

本文
 ドイツのヘルスケア大手フレゼニウス(Fresenius SE & Co. KGaA)は2026年11月2日、中国系のバイオ医薬品研究・開発・製造受託企業ウーシー・バイオロジクス(WuXi Biologics)と、バイオシミラー(バイオ後続品)に関する独占開発契約を締結したと発表しました。今回の提携により、フレゼニウスは今後約10年間にわたり、特定された最大37品目の開発候補について、実際に開発へ進めるかを選択できる独占的な権利を獲得しました。

 フレゼニウスは現在、販売中および開発中のバイオシミラーを合わせて29品目保有しています。今回の契約で最大37品目の選択肢が加わることで、同社の将来的なパイプライン(開発候補群)は最大で66品目へと拡大する潜在的な規模を持ちます。ただし、37品目すべての開発や製品化が決定したわけではなく、同社が市場環境を見極めながら段階的に判断していく枠組みとなっています。

 開発候補の選定にあたっては、各品目の市場における魅力度や開発に伴うリスク、期待される収益性などが総合的に評価されます。費用負担についても一括して巨額資金を投じるのではなく、フレゼニウスが実際に開発を選択した品目ごとに、計画の進捗に応じてウーシー・バイオロジクスへサービス対価を支払う仕組みを採用しました。開発リスクを抑えながら柔軟にパイプラインを構築する戦略です。

 対象となる治療領域は、腫瘍学、免疫学、消化器領域といった既存分野から、神経学、腎臓病、心肺領域など拡大を見込む分野まで、合計13領域に及びます。技術分野にはモノクローナル抗体や二重特異性抗体、抗体薬物複合体(ADC)、融合タンパク質が含まれます。初期の開発対象としては、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫向けのポラツズマブ ベドチンや、甲状腺眼症向けのテプロツムマブのバイオシミラーが想定されています。

 両社の役割分担において、ウーシー・バイオロジクスは国際的なネットワークを活用した包括的な研究・開発・製造受託能力を提供します。一方のフレゼニウスは、開発候補の最終選択と長期的な製造戦略の決定を担うとともに、開発された製品の世界的な独占商業化権や販売承認に関する権利、販売に伴う経済的権益を保持します。外部の開発基盤を活用しつつ、商業化の主導権を握る体制を整えています。

 製造面においては、グループ内の製造基盤との連携も視野に入れられています。フレゼニウスは2026年10月、スペインのバイオ医薬品製造企業マブシエンス(mAbxience)を完全子会社化しました。今回の契約で新工場の建設が決まったわけではありませんが、将来的には選択した品目の製造をマブシエンスのネットワークへ段階的に移管する可能性もあります。外部の開発能力とグループ内の製造基盤を組み合わせる余地を残しています。

 提携が対象とする先発バイオ医薬品の定価ベースの売上規模は、合計3,700億ユーロを超えます。これは対象市場全体の潜在的な大きさを表す指標であり、同社の将来売上高を意味するものではありません。なお、フレゼニウスは今回の契約に伴う支出を営業キャッシュフローで賄う方針で、新規資金調達は不要としており、2026年通期の業績見通しも変更していません。

 フレゼニウスは既存の目標として、バイオファーマ事業の売上高を2025年比で約2倍に拡大し、EBIT利益率約20%を達成することを2030年に向けて掲げています。今回の提携による追加機会は、主に2030年以降の成長を見据えた長期的な布石となります。製品の承認や発売は将来の開発進捗に左右されますが、外部開発力を取り込み選択肢を広げた今回の取り組みは、バイオシミラー事業の競争力を高める重要な一歩となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)