英米、核融合開発でAI・スパコン連携 規制協力も、英国は5年で25億ポンド投資

2026年09月15日 07:02

イギリスとアメリカ

英国と米国の国旗。両国は核融合エネルギー分野で、AIや高度なコンピューティングを活用した研究協力に加え、将来の商業展開も見据えた規制面での連携を進める。英国政府は核融合分野に5年間で25億ポンド超を投じる方針を掲げている。(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

英国政府は9月14日、ロンドンで開催する「グローバル・フュージョン・サミット」で、米国と核融合エネルギー分野における2つの新たな協力枠組みを進めると発表しました。英国原子力庁と米プリンストン・プラズマ物理研究所がAIや高度なコンピューティングの専門知識を結集する新たなスパコンパートナーシップを発足させるほか、将来の商業利用を見据えた規制協力の共同声明に署名する予定です。英国政府は2025年に同分野へ5年間で25億ポンド超を投じる方針を発表しており、技術と制度の両面から環境整備を進めています。

本文
 英国政府(エネルギー安全保障・ネットゼロ省等)は2026年9月14日、ロンドンで開催する「グローバル・フュージョン・サミット」で、米国との間で核融合エネルギーに関する新たな協力を進めると発表しました。

 発表によると、両国は2つの新たな合意を進める予定です。技術面では、英国原子力庁(UKAEA)と米国のプリンストン・プラズマ物理研究所(PPPL)との間で、AI、高度なコンピューティング、および核融合研究の専門知識を組み合わせた新たなスーパーコンピューティング・パートナーシップを発足させます。両国の知見を結集し、研究開発の推進を図る取り組みです。

 また制度面においては、両国が核融合エネルギーの規制に関するより緊密な協力を約束する共同声明に署名する予定としています。英国はすでに核融合専用の規制枠組みの整備を進めており、将来の商業展開も見据え、核融合エネルギーの規制を巡って英米で連携を深める方針です。

 財政面において英国政府は、2025年6月の歳出見直し(SR)の一環として、核融合分野に対し5年間で25億ポンドを超える投資計画を発表しています。政府の見通しでは、一連の政策や投資を通じて2030年までに国内で1万人以上の雇用創出が見込まれるとしています。

 あわせて、サミットの機会に合わせて民間・研究機関による関連投資や研究資金の獲得も示されています。日本の京都フュージョニアリングが、英国政府の核融合発電所プロトタイプ設計プログラム「STEP」を支援する「Project ALBION」を通じて英国に最大300万ポンドを投資する予定であるほか、バーミンガム大学や米電力研究所(EPRI)などが263万ポンドの核融合材料共同研究資金を獲得しています。

 英国政府は「STEP」計画を通じて、ノッティンガムシャー州ウェスト・バートンにて2040年までに核融合発電所のプロトタイプ完成を目指しています。今回の発表は直ちに商業発電の開始期日を定めたものではありませんが、先端計算技術やAIの導入、規制面での協力、材料開発に至るまで、商業利用を見据えた環境整備がどこまで進むかが今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)