山間部に広がる農地と集落。農林水産省は、豪雨や台風などによる災害を受けた農地について、災害査定の効率化対象を8月27日時点の23道府県から29道府県へ拡大した。机上査定の上限額引き上げなどにより、査定期間の短縮と早期復旧を図る。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
農林水産省は9月14日、今夏の梅雨前線豪雨や8月の千葉豪雨、その後の北陸地方を中心とする大雨などで被災した農林水産業施設について、「大規模災害時の災害査定の効率化」の対象区域を追加発表しました。農地における対象は、8月27日の第1回発表時点の23道府県から29道府県へ6県拡大しました。農業用施設は24府県から27府県、林道は20道府県から24道府県へ広がっています。対象区域では、現地調査を原則とする災害査定の一部を書類のみで行えるほか、査定資料も簡素化でき、査定期間の短縮や被災施設の早期復旧につなげる狙いがあります。
本文
農林水産省は2026年9月14日、今夏の一連の豪雨や台風等により被災した農林水産業施設に関し、災害査定に要する期間等を縮減する「大規模災害時の災害査定の効率化」の対象区域を拡大したと公表しました。
今回の発表は、8月27日公表の第1回措置に続く第2回の指定となります。農地に関する効率化の対象区域は、第1回の23道府県から29道府県へ増加しました。新たに対象へ加わったのは、青森、福島、千葉、石川、福井、岡山の6県です。農業用施設は24府県から27府県へ増え、石川、福井、宮崎が追加。林道は20道府県から24道府県へ拡大し、千葉、石川、福井、長野が加わりました。とりわけ石川県と福井県は、農地・農業用施設・林道の3区分すべてで新たに追加指定を受けています。
対象区域の拡大背景には、災害範囲の広がりに加え、追加で把握された被害状況があります。第1回では「梅雨入りから8月千葉豪雨まで」が対象とされていましたが、第2回では「8月27日からの北陸地方を中心とする大雨等」による被害まで対象期間が拡張されました。対象区域は、農水省への被害報告における被災箇所数が、過去5カ年の平均被災箇所数(本激除く)を超えた区域を基準に選定されています。
本制度は、災害復旧事業に必要な査定手続きの期間を縮減し、早期着手を可能にするための特別ルールです。通常、国庫補助を受けるための災害査定は現場での実地調査が原則ですが、書類審理のみで済ませる「机上査定」の上限額(通常500万円未満)を引き上げます。具体的には、査定見込み件数のおおむね7割、農地や農業用施設においては概ね9割までをカバーできるよう金額上限を設定し直すことで、現地調査件数を減らし事務手続きを高速化します。
さらに、事業費見込額が2億円以上となる場合に農水省本省で判断を行う「採択保留」の基準についても、2億円を超え採択保留となる見込み件数の概ね6割までをカバーする額へ上限を引き上げます。加えて、査定設計書への航空写真や代表断面図の活用を認めるなど提出図面・写真の簡素化を認め、自治体の現場負担を軽減します。
梅雨前線による豪雨から千葉豪雨、北陸大雨に至るまで、今夏は各地で農地や農業用施設、林道への被害が相次ぎました。農地の査定効率化対象が29道府県に広がったことで、今後は各自治体における査定業務の進捗状況と、実際の復旧工事への早期着手が焦点となります。なお農水省は、今後の調査結果により、現在の対象施設や対象区域以外についても必要に応じて対象とするとしています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













